2015年1月11日日曜日

【無料ツールで災害対策 vol.17】雨量情報を使いこなす(雨量の時間帯別の特長/情報利用の注意点)

こんにちは。渡邉です。

今日は雨量をどう使うかに関する特集記事の続きです。

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■1時間雨量か、10分雨量か
前回のブログ(こちらです)の後半で、1時間雨量か10分間雨量のどちらを見るべきかという問いを引用しました。これに対する答えは、雨量に関する情報はどのような情報を得たいか/得るべきかによって見るべき時間単位を選択していくことが肝心というものです。

昨日も書きましたが、国土交通省防災情報提供センターのウェブサイト(こちらです)では「10分」、「1時間」、「3時間」、「24時間」といった4種類の単位で雨量を見ることができます。今日はこれを例にそれぞれの単位時間の特長を以下にまとめたいと思います。

【10分間雨量】
・現在降っている雨量をリアルタイムに把握することに最も適しています。
・雨雲の動き方によりますが、10分間雨量を基に1時間雨量を推測することができます。雨がこの先1時間続きそうな場合は直近の10分間雨量×6をします。
直近の10分間雨量 → 予想される今後1時間の雨量(概算)
1~5ミリの降水量  → 30ミリ以下
5~10ミリの降水量  → 30~60ミリ程度じ
10~15ミリの降水量 → 60~90ミリ程度
15ミリ以上の降水量 → 90ミリ以上のレベル
・雨が一時的なもの、例えば20分で終わりそうな場合は直近の10分間雨量×2をします。(ちなみに雨の影響がどの程度続くかは気象庁高解像度降水ナウキャストの「雨の動き」などから判断します。判断の仕方はいずれこのブログでもご紹介します)。
・この方法をとることで、今降っている雨から何が起こり得るのかを大まかに予測することができます。例えば、中小河川が対応できる1時間雨量は50ミリと以前ご紹介しましたが(東京の神田川の場合。詳しくはこの回のブログをご参照ください)、10分間雨量で10ミリ近いものが1時間続いたり、10分間15ミリの降水が数十分続くとこの目安を超えることが分かります。
・このように、リアルタイムの雨量はこの先何が起こり得るかという短期的な影響を見るのに適していると言えます。

【1時間雨量】
・気象庁の「雨の強さと降り方」では1時間雨量を基に社会への影響がまとめられています。また、注意報・警報の基準として1時間雨量(3時間雨量の場合もあります)が使われているなど、最も基本的な時間単位という側面があります。
・気象情報だけではなく河川の整備などに関する基準でも1時間雨量が使われることがあります。こうした情報と見比べる際には1時間雨量は便利です。
・ただし、10分間雨量がリアルタイムな情報であるとすれば、1時間雨量は今までの1時間に降った雨を示すので、やや時間的な幅が出てきます。
・「1時間で○ミリを観測したら○○する」という条件で災害対応が練られることもありますが、その雨量に達するか最大1時間待つよりも、10分間雨量から推測して対応を考えていった方が時間的な余裕が生まれます。

【3時間雨量】
・例えば1時間に70ミリが2時間継続した場合など、短時間強雨がある程度持続性をもって影響を与えることで災害が発生することがあります。
・3時間雨量はこのような降り方をする雨の影響を把握するのに適しています。

【24時間雨量】
・これまでに降った雨量により地盤が緩むということや河川が増水するといったことを把握する際に参考となります。
・気象庁のホームページからたどれる観測史上○位の雨と比較できます(1時間雨量も比較することができます。調べ方はこの回の記事をご覧ください)。
日最大1時間降水量・月最大24時間降水量が
分かります(気象庁ホームページより)






   





■○時間雨量を見るときの注意点
1時間雨量、3時間雨量、24時間雨量等はどの時点を基準にした雨量を指しているのかに注意が必要です。

国土交通省防災情報提供センターの場合は、「前10分間」、「前1時間」の雨量は、それぞれ10分毎に更新されるので文字通り前10分・前1時間の値です。しかし、「前3時間」、「前24時間」の場合はそれぞれ毎正時過ぎ(1時間毎)に更新されますので、「前10分」、「前1時間」とは「いつから遡って」という基準点が異なります*1。

ちなみに気象庁の「アメダス(全国)」から見る雨量(1時間雨量)は毎正時ごとの区切りです。

一方で大雨警報が発表されているときに更なる警戒を呼びかける「記録的短時間大雨情報」の場合、発表される「1時間雨量」は毎正時ごとではなく観測(あるいは解析)時点までの1時間雨量です。詳しくは以下をご参照ください。
記録的短時間大雨情報の説明とサンプル
(気象庁ホームページより)*2












このように、同じ「○時間雨量」といっても毎正時なのか、発表時点からさかのぼって○時間なのか情報によって異なりますので、雨量情報を使われる際にはその点にも配慮が必要です。

(「雨量情報を使いこなす(どこの雨量を見るか)」に続く)

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(参考)
*1:http://www.jma.go.jp/jp/contents/index.html
*2:http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/kirokuame.html