先週、ロッテルダムで開催されたThe Resilient City( https://vencaf.nl/the-resilient-city/ )というイベントに参加してきました。 パネルディスカッション参加者の一人はオランダのエンジニアリング会社ARCADIS( https://www.arcadis.com/en/global/ )で水害対策部門を率いる人物でした。ARCADIS社はオランダが培った水害対策の技術をもとに、途上国から先進国まで文字通り世界中で活躍するユニークな会社です。 その彼がパネルディスカッションの最後に「これだけは言っておきたい」という形で話し出した意見が興味深いものだったので、ここで紹介したいと思います。 「水害に対してテクノロジーがあれば解決するということをよく聞くが、テクノロジーの選択肢はすでに揃っている。この意味でテクノロジーはメインの解決策ではない。テクノロジーの不在が問題なのではなく、水害対策の問題はガバナンス(統治)とファイナンス(財政)だ。」 ガバナンスとファイナンス。実際には技術上の開発が待たれる分野もあるとは思いますが、技術を使う側の人・社会・制度の側の問題点がないがしろにできないことを示唆する現場からの発言と私は捉えました。