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【オーストラリア】洪水対策アイデアの洪水プロジェクト(Flood of Ideas)の意義

こんにちは。渡邉です。

今日は、水害被害を受けた地域がどのように住民を巻き込んで今後の対策を練っていくかという点に関する事例のご紹介です。

参考として取り上げるのは、このブログでも何度か紹介しているオーストラリアのブリスベンの事例です(ブリスベン関係の過去の記事はこちらからご覧ください)。

2011年の洪水により、ブリスベンの中心市街地や住宅街は浸水被害を受けました。

「どうすれば水害と共存できる街を作れるか」がブリスベン市民にとってのテーマとなったわけですが、突拍子もないものから専門的なものまでどのようなアイデアでもいいので集めようというプロジェクトが実施されました。

プロジェクトの名称は、Flood of Ideasです。訳すとすれば「アイデアの洪水」といったところですが、もちろん洪水(Flood)はブリスベン川の2011年の洪水にかけています。

プロジェクトの実施主体はクイーンズランド州の州立図書館とHealthy Waterways(HPはこちらです)という水環境に取り組むNPO団体です。

Flood of Ideasのサイトでは市民から寄せられた数多くのアイデアを現在も見ることができます。

http://floodofideas.org.au/

















アイデアの提案自体は2012年あたりを最後に自然に終了していますが、ウェブサイトを見ると専門家から市民のアイデアまで幅広い声や知識が集まったことが分かります。

こうしたプロジェクトに対しては、実際の政策形成過程や洪水対策に活かされる(活かされた)のかという厳しい見方もできます。

一方で、往々にして<専門家>が主体となり進めていく洪水対策への対抗軸(あるいは補完軸)として、市民の中にある知識をウェブサイト上で共有して川との折り合い方を考える場を作り、被災後の洪水対策立案の中で一定の存在感を示していったことは高く評価されています*1。

(関連情報)
*1:
http://www.lat27.com.au/assets/Newsletters/2013-03-May-AILA-Awards.pdf