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10月, 2014の投稿を表示しています

【オランダ・オーストラリア・ニュージーランド】一本の線が語るもの・語らないもの

こんにちは。渡邉です。  今日はロッテルダムから電車で15分弱のデルフト市にあるユネスコの関連機関、 UNESCO-IHE に行ってきました。災害に関するセミナーに参加するためです。 UNESCO-IHEは、水に関するユネスコの研究機関で、教育や研究、 能力開発などを行っています。 その建物に入ると壁に1本の水色の線を発見しました。 ↑下の階の上の方に水色の線がありました 線は曲がってそのまま階段方向へ。 ↑下の階と上の階を繋ぐ階段にも続いています これは海抜7.54メートルを示すものです。 ↑上の階の壁にも水位の線が書かれています 「なぜ7.54mか?」ということを同席したIHEの広報の方や 研究者に聞いてみましたが「分からない」と言われたり、 冗談で返されたりして、結局何だったのかは分かりません。 ところで、こうした水位に関する表示は 水害が起こった場所の記録として残されることが多いですね。 オーストラリアやニュージーランドで撮りためていたので、 ここで紹介したいと思います。 まずは、私が通っていたオーストラリアのブリスベンにある クイーンズランド州立大学構内の表示版2種類です。 こちらは校舎の壁に打ち付けてあったものです。 大学は川沿いにあるので、一部が浸水しました。 水害をもたらしたブリスベン川のほとりには、2011年の水害時の水位と 20世紀の最大水位である1974年の水位が示されています。 ブリスベン市内の公園にも水害の碑があります。 垂直に立っているモニュメントが1974年の水害時の水位を示します。 裏には説明も書かれています。 要約すると次のようなことが記載されています。 ・1974年の洪水は1893年以来最大のものであった。 ・1974年1月25日(金)から降りはじめ、翌日の夜までにブリスベンでは 375ミリ、内陸部ではそれ以上の降雨となった。 ・この大雨による洪水でブリスベンは大規模な浸水被害が起こり、

【オーストラリア】過去の災害や気候変化の影響をどう見せるか

こんにちは。渡邉です。 地域の災害を知る上で、過去の災害を知ることが重要であるとの 指摘は様々な所で言われています。日本だと、古い地形図を見て 地域の潜在的な危険性を判断すべしと呼びかけている方々もいますね。 今日はオーストラリアのクイーンズランド州の事例をご紹介したいと思います。 その名は、Harden Upというウェブ上のプロジェクトで、州政府などの予算を得て、 私がインターンをしていたGreen Cross Australiaという団体が手掛けました。 プロジェクトのウェブサイトは こちら です。 http://hardenup.org/ ↑トップページの切り抜きです Harden Upを一言でいえば、地域ごとに過去の災害と気候変化による影響を 見せていくサイトです。もちろん、参加型の要素も加えてあり、 閲覧した人がサイト上で災害対策のプランを作ることもできます。 今回は過去の災害や気候変化の影響をどう見せるかに焦点を当てたいので、 その部分について特化してご紹介します。 まずはトップページにあるBE AWAREというところを見てみてください。 地域を入力する欄があります。 例えば州都であるブリスベンと入力してみます。 ↑地区名(Suburb)を入力します すると、ブリスベンのこれまでの災害と、今後の気候変化による影響の 見込みが一覧となって出てきます。 出てくる情報を順番に紹介しますと・・・ 1.過去からの災害 洪水、サイクロン、山火事、高潮、豪雨(severe storm)の事例ごとに 色分けして表示されます。これによってどんな災害のリスクがあるかが 視覚的に分かります。 ↑1880年代からの災害一覧がグラフで表示されます 2.災害事例の詳細 被害が発生した等の顕著な災害の場合、ケーススタディとして 別ページでより詳細な情報が掲載されています。 ↑詳細なレポートのある事例には紫色のマークがついています 3.人口増加率 100年以上の間に地域の人口がどう変化してきたのかが グラフで表示されます。 ↑1870年代後半からの人口増

自己紹介

こんにちは。渡邉です。 今日は自己紹介をしてみたいと思います。 詳しいプロフィールは こちら にまとめてみましたが、 一言でいうと、「気象」と「防災」と「コミュニケーション」という 3つの分野を掛け合わせたことをライフワークにしています。 プロフィールを再度書くのもあれなので、 ここでは、「10の質問に対する答え」という方法で 自己紹介をしてみたいと思います。 Q1:いまどこにいますか? 2014年8月からオランダのロッテルダムにいます。 ロッテルダムは人口で言えばオランダ第2の都市で、 ヨーロッパ最大の港があります。ここで家族4人で生活しています。 Q2:オランダで何をしているんですか? 起業ビザを使って、オランダで2つの事業を行おうとしています。 1つは気象情報のコミュニケーションに特化した会社である Weather + Communication Designの運営と、 もう1つはオランダへの移住者支援や視察手配等の事業を行うJN Connectです。 Q3:なぜオランダで防災事業? 気象災害は日本だけではないので、水害対策の先進地として 人的・知的資源が集まるオランダをベースに、 世界に貢献していきたいと考えているからです。 Q4:大学や大学院では何を勉強しましたか? 大学では教育学を専攻していました。中学社会と高校公民の教員免許を持っています。 大学院では途上国などの開発現場で必要とされるコミュニケーションのあり方について 理論的・実践的に学ぶ課程に在籍していました。 また、科学教育や科学コミュニケーションの授業なども履修しました。 Q5:気象学はどこで勉強しましたか? 自治体の職員だったころに気象情報サービスを民間気象会社から得ていた縁もあって、 2005年にその会社に転職しました。仕事を始めた時点で気象学の知識はゼロ。 その後、業務経験を積む中で実践的な知識を得ると共に、 気象予報士試験対策で理解を深めてきました。 なお、オーストラリア留学中には気象学と水文学のコースを履修しています。 Q6:趣味は何ですか? 知らないことを調べることが趣味です。あと気象ももちろん好きです。 Q7:座右の銘は? "Could it be otherwi

はじめまして!

こんにちは。 今日のロッテルダムは朝から霧。時折小雨も混じっています。 まったく見通しがきかないし肌寒いのですが、 そんなことはオランダの人たちはお構いなし。 いつものようにさっそうと自転車を飛ばしています。 さて、今日から「防災気象情報の利用と水害対策の事例ノート」というブログを 始めたいと思います。 このブログでは、気象情報の使い方や水害対策について、 水害先進地といわれるオランダや、オランダに来る前に1年半ほどいた オーストラリアの事例など紹介していきたいと思っています。 海外ならではというケースから、日本でも使えそうなケースまで、 日本とはまた違った角度から防災対策を考える参考になるかもしれません。 自己紹介は次回します。 まずはごあいさつまで。