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【特別記事 】気象情報で現在進行中の大雨に備える

2018年7月8日ごろにかけて、「 西日本・東日本で非常に激しい雨が断続的に降り続き、記録的な大雨となるおそれ 」( 気象庁発表資料 より)があり、厳重な警戒が呼びかけられています。 大雨災害に備える上で重要なのは、大雨が起こりうる場所や時間を事前にできる限り把握することです。そのような際に非常に役に立つのが気象レーダーや今後の雨雲の動きです。 しかし、そうした便利なツールを漠然と見るだけでは、なかなか必要な情報が取りづらい面もあります。そこで今回は、レーダーや今後の雨雲の動きから大雨を見抜く方法をまとめてみたいと思います。現在進行中の大雨への備えとしてお役立てください。 ■レーダーを見る時のコツ レーダーや今後の雨雲の動きを見る時には、 大雨の形が現れていないか確認 することが重要です。 大雨の形 を具体的に説明すると、 「発達した雨域が1つのところでほとんど動かないように見える形」 です。次のイラスト図では2014年広島豪雨の際のレーダー画像を例に挙げています。3つのレーダーの図は1時間ごとの様子を示していますが、この日は1時間経っても、2時間経っても、3時間たっても発達した雨雲が同じところに次々とかかり、結果として発達した雨域が1つのところでほとんど動かないようになっています。この大雨により土砂災害が発生し、多くの人命が奪われました。 気象とコミュニケーションデザイン作成資料 大雨の形のことを念頭におきながら、2018年7月5日の雨の降り方をレーダー画像で見てみましょう。 次の動画は、雲研究者で、気象庁気象研究所研究官の荒木健太郎さんがご自身のフェイスブックのページ( こちら です)で公開したレーダーのタイムラプス画像です(ご本人の了解を得て掲載しています)。 この中で大雨になっていたところはどこでしょうか? 答えは、 強いエコー(オレンジや赤など時間雨量が多いことを示すもの) が へばりついたようにかかり続けていたところ です。西日本各地でそうした状態となりました。 ■大雨を監視するツール これまでの雨雲の様子 と、 今後の雨雲の予測 は、 気象庁のホームページ から確認ができます。 例えば「 高解像度降水ナウキャスト 」のページ( こちら です)では、 3時間前か...

【コラム】「気象情報利用力」は、防災の要

「気象情報利用力」は、防災の要 「気象情報利用力」は、「インターネット上などで手にすることができる気象情報などから、自分や自分の地域にとっての危険性を見抜く力」です。これがあるとないとでは、気象情報の持つ意味が大きく変わります。詳しくはコンセプト( こちら です)をご覧ください。

【コラム】天気予報の鮮度と大雨時に利用するナウキャスト情報について

こんにちは。渡邉です。 大雨の時には気象関係者の行動パターンを真似て、気象レーダーを見ようと一昨日のブログでお伝えしました( こちら です)。 大雨が降っている時は気象レーダーを見ること以外にも見た方がよい情報がたくさんあります。 例えば、それは次のうちどれでしょう? 1.テレビやウェブで確認できる1時間(あるいは3時間)のピンポイント予想 2.これから数時間先までの雨雲の動きが分かるナウキャスト情報 答えは2ですが、1を選択される方も多いかと思います。 ピンポイント予報はNHKのデータ放送だと次のような画面で表示されるそうです。 出典:NHKホームページより( こちら ) 1時間ごとの雨の雨量まで分かり、一見便利そうに見えますが、実はあまりお勧めしません。 というのは、こうした1時間ごとの情報を作った時点とテレビなどで予想が流れる時間には時間差があり、現状や直近の状況を踏まえての予測を伝えているわけではないからです。 こうしたことが背景にあるために、テレビの1時間予報を見たら1ミリ程度しか予測されていなかったのに、今現在は1時間に70ミリ近い雨が降っているという事が起こりえます。 大雨時の天気予報は鮮度が重要です。 仮に30分前に作った予報でも雨の展開によっては予報を修正したほうがよい(新鮮な予報を作った方がよい)事態があります。残念ながらテレビやインターネットの1時間予報は情報配信システムの都合上、いつも新鮮な予報が並んでいる訳ではありません。 大雨の時に見るべきものは、2のナウキャスト情報です。 ナウキャスト(Nowcast)とは、直近の状況を踏まえて目先の予測を組み立てていく気象予報の一種です。ツールとして代表的なものに気象庁の高解像度降水ナウキャストがあり( こちら です)、1時間先までの予測が5分間隔で発表されます。 例として以下のナウキャスト情報を見ると、9時までの時点で九州の2か所に発達した雨雲がありますが(暖色系の部分)、この先10時にかけて同じようなところに影響し続けて大雨が続く可能性があることが分かります。 ナウキャストの例(気象庁ホームページより( こちら )) 直近の雨の予報を知りたい時、鮮度的には降水ナウキャ...

(コラム)国土交通省防災情報提供センターの雨量情報を見る利点 その3(4つの雨量が瞬時に分かる)

こんにちは。渡邉です。 一昨日から3回に分けて 国土交通省防災情報提供センター の雨量情報を見る利点をまとめています。今日はその最終回で、「4つの雨量が分かる」という点をまとめていきます。 防災情報提供センターの雨量計データを使うと、「前10分間雨量」、「前1時間雨量」、「前3時間雨量」、「前24時間雨量」の4つを表示できます。 雨量表示を選ぶことが できます サンプルとして挙げる以下の画像はある時点の4つの雨量ですが、それぞれの違いがイメージしやすいので並べてみます。 ▼前10分間雨量 今現在、どこで雨が降っているかが分かります。 ▼前1時間雨量 前10分間雨量より雨量を拾っている場所が増えました。前10分間雨量を見た時には雨量計で捕捉していなかった場合でも、過去の1時間に雨があった場所の雨量情報が出てきます。 ▼前3時間雨量 この3時間で雨量が多かった場所が分かります。 ▼前24時間雨量 過去1日の降水状況を把握できます。 大雨の時の状況で説明した方が分かりやすいのですが、この記事を書いた日の天気が冬型の気圧配置でした。大雨となった時に改めて紹介したいと思いますが、4つの雨量は重要な意味を教えてくれます。 雨量別の意味はこの回のブログ( こちら です)に箇条書きでまとめました。それぞれのポイントを絵にすると次のとおりです。 それぞれの雨量の使い方 10分間雨量・1時間雨量は直近の雨量を示すので、短時間強雨の把握などに適しています。一方、3時間雨量は大雨災害の場合、短時間強雨が連続して発生して雨量がまとまっていないかを調べるのに最適です。24時間雨量は長い時間に渡って雨が降ったことによる地域への影響を考慮する際に参考になります。 これらの情報をワンストップで引き出せるため、防災情報提供センターのサイトはその意味で秀逸であると言えます。ただし、降り始めからの雨量を示すシステムがないので、自分でアメダスの雨量計などを見て計算する必要があります。

(コラム)国土交通省防災情報提供センターの雨量情報を見る利点 その1(細かく分かる)

こんにちは。渡邉です。 この回の特集記事( こちら です)で気象庁アメダスとアメダス以外の雨量情報サイト( 国土交通省防災情報提供センター など)を紹介しました。 雨量情報を見るのであれば、防災情報提供センターのサイトは3つの意味で充実しています。今日はまずそのうちの1つ目、「とにかく細かくみられる」という点の紹介です。 論より証拠ということで、まずはこちらが関東周辺に設置されたアメダスの雨量計ネットワークです。雨が降っていない時のデータなので、「0」は0ミリのことです。アメダスのネットワークを見ると全体にまんべんなく配置されているとはいえ、所々で雨量を捕捉できない地域があることが分かります。 アメダスの雨量計ネットワーク(気象庁ホームページより) では、国土交通省の防災情報提供センターで関東地方を見てみましょう。四角で囲まれているのが雨量計の雨量情報です。 防災情報提供センター リアルタイム雨量 まさに見たとおりですが、防災情報提供センターのサイトの方が雨量計の量が圧倒的に多いです。これは、気象庁、国土交通省水管理・国土保全局・道路局、自治体の雨量計データが統合されて表示されるシステムのためです。 雨の降り方が局地的である場合はこの規模のネットワークでもうまく雨量を実測できないこともありますが、雨量情報を得るためにまずは見に行くサイトとして防災情報提供センターのウェブサイトは非常に有益ですので是非ご利用ください。

【無料ツールで災害対策 vol.18】雨量情報を使いこなす(どこの雨量を見るか)

こんにちは。渡邉です。 今日はどこの雨量を見るかという話です。 ---------------------------- ■見るべき雨量 「雨量計のデータを見る」というと、お住まいの場所から最も近い雨量計を探し出してご覧になることが多いかもしれません。また、河川の上流部や山間部の雨量をご覧になる方もいらっしゃると思います。 上記に加えてお勧めしたいのは、発達した雨雲がかかっている所の雨量を調べることです。 仮にその雨雲がお住まいの地域に向かってくる予測がある場合、その情報をもとに雨量の目安を得ることができます。短期的な雨雲の動きは気象庁の降水短時間雨量や高解像度降水ナウキャストなどを使って確認できます(降水短時間雨量については この回 、高解像度降水ナウキャストについては この回 のブログで説明をしました)。 例えば下の図のような雨雲があった場合、雨雲がどちらに進んでいくのかということと、雨雲の直下でどの程度降っているか(10分間雨量を見ます)を把握します。雨雲が向かってくると予測されている地域では、そこで調べた雨量と同規模の降雨があると心づもりをしておきます。 大雨となっている所の雨量を参考とします (気象庁データ) なお、ある場所の大雨が実際にそのままの状態でお住まいの地域まで移動してくるかは気象条件などによります。場合によっては移動する過程の中でさらに雨雲が発達して大雨となったり、あるいは雨雲の発達のピークを過ぎて弱まったものが流れ込んでくることもあります。移動の中で10分間雨量に雨量に変化(増減)があった場合は、その都度雨量の見積もりを変えながら影響を見定めていくということが必要です。 (「 2014年8月の広島豪雨の場合(その1) 」に続く) ----------------------------

【無料ツールで災害対策 vol.17】雨量情報を使いこなす(雨量の時間帯別の特長/情報利用の注意点)

こんにちは。渡邉です。 今日は雨量をどう使うかに関する特集記事の続きです。 ---------------------------- ■1時間雨量か、10分雨量か 前回のブログ( こちら です)の後半で、1時間雨量か10分間雨量のどちらを見るべきかという問いを引用しました。これに対する答えは、雨量に関する情報はどのような情報を得たいか/得るべきかによって見るべき時間単位を選択していくことが肝心というものです。 昨日も書きましたが、国土交通省防災情報提供センターのウェブサイト( こちら です)では「10分」、「1時間」、「3時間」、「24時間」といった4種類の単位で雨量を見ることができます。今日はこれを例にそれぞれの単位時間の特長を以下にまとめたいと思います。 【10分間雨量】 ・現在降っている雨量をリアルタイムに把握することに最も適しています。 ・雨雲の動き方によりますが、10分間雨量を基に1時間雨量を推測することができます。雨がこの先1時間続きそうな場合は直近の10分間雨量×6をします。 直近の10分間雨量 → 予想される今後1時間の雨量(概算) 1~5ミリの降水量  → 30ミリ以下 5~10ミリの降水量  → 30~60ミリ程度じ 10~15ミリの降水量 → 60~90ミリ程度 15ミリ以上の降水量 → 90ミリ以上のレベル ・雨が一時的なもの、例えば20分で終わりそうな場合は直近の10分間雨量×2をします。(ちなみに雨の影響がどの程度続くかは 気象庁高解像度降水ナウキャスト の「雨の動き」などから判断します。判断の仕方はいずれこのブログでもご紹介します)。 ・この方法をとることで、今降っている雨から何が起こり得るのかを大まかに予測することができます。例えば、中小河川が対応できる1時間雨量は50ミリと以前ご紹介しましたが(東京の神田川の場合。詳しくはこの回の ブログ をご参照ください)、10分間雨量で10ミリ近いものが1時間続いたり、10分間15ミリの降水が数十分続くとこの目安を超えることが分かります。 ・このように、リアルタイムの雨量はこの先何が起こり得るかという短期的な影響を見るのに適していると言えます。 【1時間雨量】 ・気象庁の「 雨の強さと降り方 」では1時間雨量を基に社会への影響がまとめられています。...

【無料ツールで災害対策 vol.16】雨量情報を使いこなす(雨量観測網/雨量が分かるサイト/雨量の時間単位)

こんにちは。渡邉です。 気象情報の利用特集(これまでの記事は こちら です)はこの先、雨量をテーマとしていきます。 多少間が空いてしまったので、前回の記事( こちら です)からのつながりが悪いかもしれませんが、今日は新しいテーマの導入として雨量計の話を中心にまとめてみたいと思います。 ---------------------------- ■アメダスによる雨量観測網 さて、日本の気象庁ではアメダスのシステムで全国約1,300か所の雨量を観測しています。日本全域の尺度で見ると細かく網羅されているように見えますが(以下の図を参照)、実際は約17キロ四方に1つという割合であるので局地的な大雨をとらえきれない場合もあります(後に紹介する国土交通省防災情報提供センターの方が気象庁だけではなく自治体などの雨量計情報も一元的に見ることができるため、よりきめ細かく雨量を調べることができます)。 気象庁の観測網(気象庁ホームページより)*1 観測には次のような雨量計が使われています。雨が雨量計の中に入ると、中の転倒ますがカチコチ動いて雨量を計測します(シーソー状で、0.5ミリで1回カチッと動きます)*2。 気象庁ホームページより*2 このような雨量計で計測されたデータは気象庁に集約され、以下のページなどで公開されています。カッコ内はそれぞれのページ上で見ることができる雨量の時間的な単位です。    ▼気象庁HP アメダス(全国)・雨量( 1時間雨量 )     http://www.jma.go.jp/jp/amedas/000.html?elementCode=0    ▼気象庁HP 高解像度降水ナウキャスト( 10分雨量 )     http://www.jma.go.jp/jp/highresorad/    ▼国土交通省防災情報提供センター( 10分、1時間、3時間、24時間雨量 )     http://www.jma.go.jp/jp/contents/ 同じ雨量計データといっても、ご覧になるサイトによって10分間雨量であったり1時間雨量であったり、あるいは3時間雨量、24時間雨量であったりと違いがあることが分かります。 ...

【お知らせ】住民の気象情報利用力を一気に高める小冊子を制作中です

こんにちは。渡邉です。 今日はいつものような記事をお休みして、 Weather Plus Communication Design の仕事として手がけていることをご紹介したいと思います。 たった今は、大雨をもたらす「大雨怪獣」や、それとの付き合い方を指南するロボットのデザインを練っています。 大雨怪獣のイメージ 実際どうなるかはまだ未定です 大雨怪獣とか言って遊んでいるようにも見えるかもしれませんが(アイデアを練るのは実際楽しいです)、怪獣やらロボットやら男の子が8ページの冊子の中で動き回りつつ、無料で入手できる気象情報を上手に使って大雨に備えるコツを伝える真面目なパンフレットを作っています。 このパンフレットは日本の自治体向けに販売を予定しています。 自治体が作成する防災パンフレットでは「最新の気象情報を確認しましょう」というのが決まり文句になっていますが、気象情報をうまく使うにはただ見るだけではダメで、自分の地域に即しての解釈が必要です。 「気象情報から危険性を見極めること」の重要性と実践方法をこのパンフレットで伝えられたらと思いながら頭をひねっています。大雨怪獣が出てくるバージョンに至るまで、原稿案を複数件作りました(作成途中で見て頂いた方に改めてお礼申し上げます)。そのうちの一つを公務員時代の元同僚に見せたところ、「マニアックすぎて10年は読まない」とバッサリ切られたのもあって、少しでも読みやすいよう今の案になりました。 ご関心のある自治体関係者の方は こちら からお問い合わせください。

【無料ツールで災害対策 vol.15】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(高解像度降水ナウキャスト その5)

こんにちは。渡邉です。 ヨーロッパにも寒気が来ていて、今日はロッテルダムでも雪が積もりました。 今日は高解像度降水ナウキャストを使って大雨を把握するシリーズの最終回です。 明日からは特集記事はしばらく一休みにして、軽い話題などを書いていこうと思います。 ---------------------------- ■高解像度降水ナウキャストのアメダスボタンで10分間雨量を確認する 気象庁の高解像度降水ナウキャスト( http://www.jma.go.jp/jp/highresorad/ )は雨雲の動きを過去から現在、1時間後にかけて見るのに適したツールであるとご紹介してきました。日本全域から市町村レベル程度まで自由にレーダーの対象が選べることに加え、その他にも便利な機能がついています。 その便利な機能の1つがアメダスの「10分間雨量値」です。雨量と気象レーダーを合わせてみるというのはいずれ書いていこうと考えていますが、今日はそのさわりとして概要をお伝えしたいと思います。 気象庁高解像度降水ナウキャストの地図の下にある「アメダス」ボタンを選択した状態にすると、気象レーダーの画像の中にアメダスの10分間雨量が現れてきます。 「アメダス」を選択した状態に変えます (図は選択されていない状態です) (気象庁ホームページより) では、アメダスの表示を付ける前と付けた後の違いを具体例で比較してみましょう(同じ拡大範囲ではないのですが、同時刻の雨雲をとらえています)。例として取り上げるのは、このブログで何度か登場させていますが、2014年10月6日の台風18号が関東地方に接近し大雨になった時のレーダー画像です。上の図はアメダスの雨量表示がないもの、下の図はアメダスの10分間雨量がついているものです。 高解像度降水ナウキャストで アメダスの10分間雨量を表示させていないもの (気象庁ホームページより) 高解像度降水ナウキャストで アメダスの10分間雨量を表示させているもの (気象庁ホームページより) 10分間雨量がついている方の図(下の図)を見ると、どこでどれだけの降水となっているかが手に取るようにわかります。また、レー...

【無料ツールで災害対策 vol.14】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(高解像度降水ナウキャスト その4)

こんにちは。渡邉です。 高解像度降水ナウキャストには、大雨の動きを示す機能がついています。 今日はその使い方をまとめます。 ---------------------------- ■高解像度降水ナウキャストで「強い降水域」を確認する 気象庁高解像度降水ナウキャストは、日本全域から市町村単位まで地図を拡大・縮小して雨雲を確認できることと、3時間前から1時間後までという過去・現在・未来の時間軸で雨雲の動きが把握できるという利点がありました。その他にも便利な機能が備わっているのですが、今日はそのうちの1つである「強い降水域」の予測ツールをご紹介します。 高解像度降水ナウキャストで地域を拡大していくと、地図の下に選択肢が現れ、「雨の動き」と「竜巻・雷」が選択できるようになります。今日説明するのは「雨の動き」に関する部分です。 日本全域の場合は地図の下にこの3要素しかでません (気象庁ホームページより) 地域を拡大していくと、「雨の動き」と 「竜巻・雷」ボタンが現れます (気象庁ホームページより) 「雨の動き」を選択すると、現在の強い降水域と、その降水域が30分後にどう動いていくかが示されます。実際には以下のように、黄土色が現在の強い降水域、黄色が30分後までの強い降水域として示されます。 気象庁報道発表資料より抜粋*1 昨日紹介した1時間後までの雨雲の動きを示した動画や5分後~60分後までの予測表示で雨雲の進み方を確認することもできますが、この昨日を使えばレーダー画面を1枚見ただけで強い雨を降らせる雨雲の短期的な動きが把握できます。 この図を見る際には黄土色の部分と黄色の部分がどの程度離れているかにも着目します。離れているほど雨雲のスピードが速く大雨が降っても一時的であるのに対し、離れていない場合は同じようなところで降ることを示します。動きが遅く見える雨雲がかかる場合は雨量がまとまるので厳重な警戒が必要です。 このように、高解像度降水ナウキャストの「雨の動き」機能は便利ですが、以下の例のように、発達した雨雲がある地域に広範囲にかかっている場合では黄色と黄土色の線が入り込みすぎていて把握しづらくなる場合があります。このような場合は前述の動画...

【無料ツールで災害対策 vol.13】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(高解像度降水ナウキャスト その3)

渡邉です。こんにちは。 今日も高解像度降水ナウキャストの続きです。 昨日は過去から見るのがポイントと書きましたが、 過去から現在、そして1時間後という未来まで続けてみるともっと便利です。 ---------------------------- ■高解像度降水ナウキャストで未来を見る 気象庁高解像度降水ナウキャストを利用するときは、お住まいの地域だけではなくある程度広域に見ること、過去にさかのぼって雨雲の流れを見ることを指摘してきました。これらに加えて、高解像度降水ナウキャストでは1時間後までの雨雲の動きが公開されていますので、こちらも参考にします。 動画の再生方法には「1時間前から1時間後まで」と「現在から1時間後まで」の2種類がありますが、過去から現在、そして1時間後までの雨雲の動きを連続的に把握したほうが大雨がその地域に影響する時間的な長さが分かるので、前者を選びます。 1時間前から1時間後までを選択(気象庁ホームページより) 今回も関東地方に台風が接近した2014年10月6日の例を利用したいと思います。午前10時35分時点で高解像度降水ナウキャストを開き、その時点までの前1時間の雲の動きと今後1時間の雲の動きを動画で見たという想定です。 では当時の様子を以下に再現してみます。キャプチャーした画像を動画編集ソフトでつなげているため、気象庁のホームページで実際に使う場合と再生スピードが異なる場合があります。 ↓ここに動画がありますが、タブレットでは表示されない場合があります。PC環境でご覧下さい。 途中から日時を示す部分の色や背景が変わりますが、変化後は予測部分を示します。この例では神奈川の雨がいつ終了するか千葉県北西部のこの先のピークがいつ頃になるかが分かります。 このように、高解像度降水ナウキャストは過去・現在・未来の時間的な幅をもって雨雲の動きを視覚的に把握できるので大雨が予想されたり実際に降っているときにはぜひ参考にして頂きたいツールです。 (「 今後の雨雲の動きをインターネットで見る(高解像度降水ナウキャスト その4) 」に続く) ----------------------------

【無料ツールで災害対策 vol.12】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(高解像度降水ナウキャスト その2)

こんにちは。渡邉です。 高解像度降水ナウキャストなどのレーダーを見るときは、 過去にさかのぼってみると得られる情報量が増えることを動画で例を挙げて紹介します。 ---------------------------- ■高解像度降水ナウキャストを見るときは過去から見る 気象庁高解像度降水ナウキャストなどのレーダー画像を見るときに、最新の画像だけを見ていては宝の持ち腐れです。レーダーは過去に巻き戻して、雨雲の動きを確認します。   ▼高解像度降水ナウキャスト    http://www.jma.go.jp/jp/highresorad/ 実例を挙げてみましょう。昨日のブログでも取り上げた2014年10月6日の台風16号の例です。午前9時30分すぎに高解像度降水ナウキャストを開いてみたら、次のようなレーダー画像だったとします。この1枚から読み取れる情報は何でしょうか。 高解像度降水ナウキャスト 2014年10月6日午前9時30分 (気象庁ホームページより) この図からは、神奈川県東部や静岡県東部で大雨になっていること、雨がそれほど強くない場所があることが分かります。また、静岡の雨が神奈川や東京に来るかもしれないと思う人もいるかもしれません。 実は、過去にさかのぼって現在までの雨雲の動きを見ると、1枚のレーダー画像を見た時に得ることができる情報量よりも格段に分かることが増えます。高解像度降水ナウキャストには、「3時間前から現在まで」を選択して動画を見ることができるので、これを利用します(下図参照)。 3時間前から現在までを選択 (気象庁ホームページより) 仮に、台風が関東地方を通過した2014年10月6日午前11時10分に3時間前までさかのぼる動画を上記の方法で見たとします。その場合、以下のようなレーダー画像を見ることができました。動画は当時の高解像度降水ナウキャストの画面をキャプチャーしたものから筆者が作成しています。 ↓ここに動画がありますが、タブレットでは表示されない場合があります。PC環境でご覧下さい。 過去からの雨雲の動きを見ることで、今現在の大雨を把握するだけではなく、(1)どこからその雨雲がやってきているのか、(2)雨雲の動...

【無料ツールで災害対策 vol.11】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(高解像度降水ナウキャスト その1)

こんにちは。渡邉です。 今日は高解像度降水ナウキャストの使い方編の第1回です。 ---------------------------- ■高解像度降水ナウキャストを見るときは木も森も見る 前回、「ナウキャスト」の意味を押さえたので、気象庁のウェブサイトで閲覧できる「レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)」と「高解像度降水ナウキャスト」の説明に移りたいと思います。 この2つですが、大きく異なるところの1つは解像度です。「レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)」は1キロ四方の解像度であるのに対し、「高解像度降水ナウキャスト」は250メートル四方と、その名の通り解像度が高くなっています(下図参照)。その他にもナウキャストデータの作り方などが異なるのですが、専門的な情報になるのでここでは省略します。高解像度降水ナウキャストの方がくっきりと雨雲の予測が分かるので、基本的にはこちらを利用して説明をしていきます。 降水ナウキャストと高解像度降水ナウキャストによる違い 黒丸は元の気象庁資料に描かれていたもので、 高解像度降水ナウキャストの方が雨雲を詳しく 表現できていることを示す(気象庁ホームページから*1) 気象庁高解像度降水ナウキャストはこのページからアクセスできます。雨雲のこれまでの動きと1時間先までの動きが一度に把握できる重要なツールです。ここからは何回かに分けて、このツールの使い方を述べていきたいと思います。 ▼高解像度降水ナウキャスト http://www.jma.go.jp/jp/highresorad/ まずは基本的なところからですが、このツールには地図の拡大・縮小機能がついていますので、大雨の時は地域への影響を把握するため、最大限に拡大されることがあるかもしれません。試しに、2014年10月6日の台風16号の際の高解像度降水ナウキャストの画像を掲載します。 高解像度降水ナウキャストの例(東京都心部) (気象庁ホームページより) 最大限に拡大すると川崎から東京都心部の各区などのどこに時間80ミリ以上の強さの雨がかかっているかを把握することができます。 「地図が拡大できるのなら最大限拡大してみよう」とお考えの方もいるかと思いますが、...

【無料ツールで災害対策 vol.10】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(ナウキャスト情報とは)

こんにちは。渡邉です。 今日は「ナウキャストってそもそも何?」の回です。 ---------------------------- ■ナウキャストを参照することの重要性 昨日はこの先6時間後までの雨量が分かる予報(「降水短時間雨量」)の見方をご紹介しました。気象庁のホームページ上ではほかにも「レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)」と「高解像度降水ナウキャスト」の2つでこれから先の降雨を確認することができますが、これらの説明に入る前段として、一般の人にとって聞きなれない言葉かもしれない「ナウキャスト」という用語について簡単に説明をしたいと思います。 「ナウキャスト」を意味的に分解すると、ナウ(Now)とキャスト(cast)に分かれます。この2つで「今現在の予報」といったニュアンスを持つ造語です。ナウキャストは直近の状況や今現在の状況を踏まえて作成するもので、これから先1時間~数時間程度に特化した短期的な予測です。なお、気象庁の「レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)」と「高解像度降水ナウキャスト」では、現在から1時間後までに雨雲などがどのように推移するかを調べることができます。 ナウキャストも天気予報(フォーキャスト/Forecast)の一部とも言えますが、直近の雨を調べるときはナウキャスト情報やリアルタイムの情報を見ることが重要です。 例えば、夏の日の夕方などに集中豪雨が起こった際、1時間ごとなどの天気マーク(フォーキャスト的な情報)を確認して情報を得ようとするのはあまりお勧めしません。フォーキャストで予測された事象と実際の状況が変わっている場合があるため、そうした情報は役に立たない場合があるからです。そうしたフォーキャスト関連の情報を見るよりも、直近の気象条件に基づいて発表されるナウキャスト情報を見た方がより現状に即した予報を入手することができます。 気象庁のサイトに関していえば、目先1時間程度の予測を知るには以下(2)の「レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)」か(3)の「高解像度降水ナウキャスト」を、それよりも少し長いスパンで現状を踏まえた予測を把握するには(1)の「解析雨量・降水短時間雨量」を見るとよいと言えます。 <今後の雨雲の動きを具体的に知るための気象庁ホームページ上の3つのツール> (1)解析雨量・降水短時間...

【無料ツールで災害対策 vol.9】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(降水短時間雨量)

渡邉です。こんにちは。 今回は気象庁のホームページから確認できる情報の紹介です。 ---------------------------- ■降水短時間雨量で雨雲の動きを把握する 昨日紹介した数値予報のデータが分かるウェブサイトとは別に、気象庁のサイトではこの先の雨雲の動きが確認できるページが3つあります。その3つとは、    (1)解析雨量・降水短時間雨量    (2)レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)    (3)高解像度降水ナウキャスト です(2014年12月現在)。この先、それぞれについて説明をしていきたいと思います。 (1)の降水短時間雨量は今後6時間先までの各「1時間降水量」の予報です。情報は30分に1回更新され、以下の図のような形で雨の動きを把握することができます。 降水短時間雨量の予測手法(気象庁ホームページ*1より) 降水短時間雨量を見る際には、黄色やオレンジ色などの暖色系の場所に着目します。以下の凡例のとおり、1時間に20ミリから30ミリが黄色(気象用語でいう「強い雨」)、30~50ミリがオレンジ色(「激しい雨」)、50~80ミリが赤(「非常に激しい雨」)、80ミリ以上が紫(「猛烈な雨」)です。 降水短時間雨量の凡例 (気象庁ホームページより) これを踏まえてもう一度降水短時間雨量の図を見ると次の情報を読み取ることができます。 ・1時間後の予測の図(左上)で高知県東部に赤色の部分があるので、これから1時間、50~80ミリの非常に激しい雨が見込まれている。 ・3時間後の予測を見ると、高知県東部から徳島県にかけての暖色部分はほとんどかかっておらず、大雨は終息している。情報発表時点からこの先2時間程度がピークである。 ・紀伊半島南部から三重にかけてはこの先5時間程度、非常に発達した雨雲がかかる。 ・特に以下の○を付けた地域では発達した雨雲2時間後、3時間後、4時間後の予測でかかっていることが確認できる。この地域では、この先雨が強まり、3時間で90~150ミリ程度の大雨になる恐れがある(オレンジ色部分が3時間かかり続けるため)。 降水短時間雨量の予測手法 (気象庁ホームページ*1より) ・5時間後、6...

【無料ツールで災害対策 vol.8】今後の雨雲の動きをインターネットで見る(数値予報データ)

こんにちは。渡邉です。 テレビの気象情報を利用するコツを何回かに分けてご紹介しましたが、 今回からインターネット上の気象情報を利用するコツに徐々に移っていきます。 ---------------------------- ■今後の雨雲の動きを数値予報データで確認する テレビの気象情報では今後の雨雲の動きがアニメーションで流れることがあります。この情報からお住まいの地域への雨量的な影響やそのタイミングなどがある程度把握できるわけですが、気を付けて見ていてもあっという間に次の予報に移ってしまい、うまく情報が取れないことなどがあります。 そのような時にお勧めな方法の1つは、気象庁がコンピューターで計算して作成した予報(数値予報)のデータを閲覧できるウェブサイトを参照することです。なお、海外、例えばオーストラリアの気象当局のホームページでは数値予報の結果が公開されていますが、残念ながら日本の気象庁のホームページ上では公開されていません。気象庁のウェブサイトに代わって、ここでは無料公開されている「GPV 気象予報」というサイトを利用します。 GPV気象予報 http://weather-gpv.info/ 参照できる情報の例(降水量) (GPV気象予報より) 初めて見るととっつきにくい印象があるかもしれませんが、画面左上の「モデル」で「詳細(039時間)」を選び、「エリア」、「雨量・雲量」を選択していくと上の図のようなものが見られます。「詳細」の方が「広域」よりもきめ細かく計算していることや、更新頻度が多いことから基本的にはそちらを見ます。時間を動かせるボタンも上部にありますので、これを使って時間を前後させながらどういった強さの雨がいつごろかかってくる予測になっているのかということなどを見ます。仕組み自体は単純なつくりであるので、ともかく手を動かして見てみると慣れてくると思います。 凡例を参考にしながら、目安として黄緑以上の色がかかっている場所を確認します。もし、何時間にもわたって黄緑以上の部分がかかり続ける場合は大雨の可能性があるかもしれないと判断してもよいでしょう。 なお、以前にも書きましたが、こうした数値計算の予測を参照...

【無料ツールで災害対策 vol.7】テレビの気象情報を利用するときのコツ(大雨の黄信号を見抜く)

こんにちは。渡邉です。 今日は特集記事の続きに戻って、テレビの気象情報で伝えられる大雨の可能性を どう掴むかということに焦点を当てていきたいと思います。 ---------------------------- ■大雨の黄信号とそのキーワード 前回のブログ( こちら です)で触れたように、気象キャスターは雨量に関する予測を口頭で上方修正したり、あるいは逆に下方修正することがあります。 ではなぜ「雨雲の動き」の映像などで、はっきりと大雨が予測できないのでしょうか。それは、現在の気象予報の技術では、局地的・集中的に発達する雨雲を前もってピンポイントに予測することが困難なためです。 ただし、大雨になりやすい気象条件というのはある程度予測を通じて把握できるため、「どこでどれだけ降るか詳しくは分からないけれども可能性としては大雨になるかもしれないエリア」というものが分かります。このいわば大雨の黄信号を伝えようと、気象キャスターは補足的な説明をするのです。 引き続き、関東地方で雷雨になった事例(動画は こちら です)を利用して、実際の気象情報の中でこの点を確認してみます。気象キャスターが「大雨の可能性」を伝えようとしたキーワードに下線を引いています。 【気象情報】 (アナウンサー)最初にニュースでもお伝えしましたが、今日都心でも激しい雨が降りました。---(気象キャスター)そうですね。  (アナウンサー)道路が冠水しているとこもありましたね。---(以下、気象キャスター)そうですね。1時間に100ミリに達するほどの猛烈な雨が降りましたし、この雨雲を発達させている 上空の寒気、 そして 水蒸気の量、 明日も今日とあまり変わらないんですね。ということは、明日も激しい雨や猛烈な雨、そして低い土地の浸水などに十分な警戒が必要です。  現在の警報の状況を見てみますと、ご覧のように千葉県の市川市や船橋市、そして東京の23区東部や静岡県などに大雨警報や洪水警報が出ています。  では、今日お昼からの雨雲の様子を見てみますと、夕方にかけて東京南部沿岸部で猛烈な雨が降りましたね。雷がなったところもあります。そしてこの後、現在は栃木県内で特に雨雲が発達しています。  この後の雨の予想です。この後、日付が変わるあたり...

【無料ツールで災害対策 vol.6】テレビの気象情報を利用するときのコツ(集中豪雨編)

こんにちは。渡邉です。 トップニュースでしばしば提供される気象関連の情報に比べれば、 気象ニュースは細かな情報を提供してくれます。 なお、雨雲の動きを見るときには気象キャスターの言葉もよく聞くのが大切です。 ---------------------------- ■気象ニュースで確認すべきこと テレビの気象情報をうまく使うコツとして、実況や予測雨量についてつかむこととと、雨の予測映像から大雨の場所をつかむことを繰り返し述べてきました。前回のブログ( こちら です)で指摘したように、報道番組のトップニュースで気象情報が扱われる場合は、上記の2つの情報が網羅されていないことがあります。 一方、例として挙げた報道番組の後半、気象情報の部分では、大雨の可能性がある場所をある程度特定して伝えていました。番組の気象キャスターは、最新の気象レーダー上の雨雲を指しながら「現在は栃木県内で特に雨雲が発達しています」と述べた後(上の図)、今後の雨の動きを使って「この後、日付が変わるあたり、さらに雨雲が発達する予想になっています」と伝えています(下の図)。 レーダーによる実況解説 (NHK 首都圏ニュース845より) 今後の雨雲の予想 (NHK 首都圏ニュース845より) 大雨の影響を受ける可能性のある場所は、これらの図や説明からある程度分かります。気象情報の中で雨雲の動きが紹介された場合は、強く降る場所がお住まいの地域にかからないかを見るとよいでしょう。一方で、この気象解説の中では何ミリ程度降るのかという雨量に関する情報がはっきりと伝えられていないのが欠点でした。気象キャスターのコメントは「雨雲が発達する予想になっている」というものでしたが、これだけでは具体性がないのです。 ■雨雲の動きを見る際の注意点 雨雲の動きを示す予測図から地域への影響を知るとよいと訴えてきましたが、実は、ただ見るだけではなく、気象キャスターがどのように解説しているかを注意深く聞くことが併せて必要です。というのは、予測された雨量よりも激しい現象が起こり得る場合、気象キャスターが予想を口頭で上方修正することがあるからです。 以下の2つの例で見比べてみてください。題材は引き続き、同じ報道番組の気象ニュースです...

【無料ツールで災害対策 vol.5】テレビの気象情報を利用するときのコツ(トップニュース編)

こんにちは。渡邉です。 トップニュースで気象情報が出てくるときがあります。 今日はそのニュースが持つ癖と、それを踏まえた上での 気象情報の使い方を紹介してみたいと思います。 ---------------------------- ■トップニュースとしての気象情報とその内容的な傾向 今日から2回に分けて、集中豪雨に関する報道や天気予報をどう使うとよいかを書いていきます。 前回( こちら です)は台風を例にテレビの気象情報を利用する方法を述べましたが、ポイントとして指摘したことは、(1)雨量について直接的か間接的に言及されていないか注意を払うことと、(2)雨雲の動きを見て地域の大雨の可能性を把握することの2点でした。この2つの原則は、突発的な豪雨(いわゆるゲリラ豪雨)対策としてもある程度有効です。 さて、報道番組では、通常の天気予報の時間枠とは別に、大雨に関するニュースがトップニュースになることがあります。こうしたトップニュースでは発生した災害や今後の雨の見込みが伝えられることがありますが、ここで伝えらえる情報に一癖ある場合があるので、これを利用する際には注意が必要です。この点について、具体例を挙げながら説明していきます。 2014年9月10日にNHK総合テレビで放送された関東地方向けのローカルニュース(「首都圏ニュース845」)のトップニュースは、「関東 大気の状態不安定/東京都内でも猛烈な雨」というものでした。この回の動画がyoutube上*1にありましたので、トップニュースの部分の内容を書き起こしました(以下のyoutubeの冒頭部分にあたります。下線部は渡邉による補記です)。 【トップニュース】 上空の寒気の影響で関東地方は大気の状態が不安定になって各地で雨雲が発達し、東京都内でも1時間に80ミリ以上の猛烈な雨を観測しています。関東地方は今夜遅くにかけて猛烈な雨が降る恐れがあり、建物の地下などへの浸水や、急な川の増水、土砂災害に警戒が必要です。  こちらは千葉県市川市の駅前の現在の様子です。今も強い雨が降っています。午後8時までの1時間には、気象庁のレーダーによる解析で、東京葛飾区付近でおよそ70ミリ、東京江戸川区付近でおよそ60ミリの非常に激しい雨が降ったとみられます。また、国土交通省が設置した雨量計...