2015年2月13日金曜日

【日本】その避難勧告の発表基準に問題はありませんか?

こんにちは。渡邉です。

今日は日本の自治体が何を基準として避難勧告等を行っているかという話です。

まずは議論の前提ですが、自治体は災害の危険性が高まった時に、災害対策基本法に基づいて避難勧告や避難指示を発表します。自治体によっては避難勧告に先立って避難準備情報といったものを発表するところもあります。

これらの発表基準をどう定めるかについては、平成26年9月に内閣府がマニュアル(「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン(平成26年度)」)を発表しました。

ただし、市町村によって定められた基準は地域の実情等を踏まえて千差万別です。

総務省消防庁は避難勧告等の基準に何が使われているかを全国の自治体を対象として調査しました(平成25年11月1日現在の状況を調べたもの。調査結果はこちらから閲覧できます)。

「水害」に対しては、全国の自治体(1,742団体)のうち、78.2%(1,362団体)が何らかの基準を定め、そのうちの990団体は「雨量」を、1,083団体は「気象警報等」を基準に定めています。

総務省消防庁調査結果より



















土砂災害に関する基準についても調査結果としてまとめられていますがここでは省略して、実際の自治体の例を見ていくこととします。

例えば愛知県下のA町の場合、以下のような基準を定めています。

愛知県のある町の避難勧告等の基準























上記の基準を見ると分かるのですが、「雨量」面の基準では、「大雨・洪水警報の発表」かつ「雨量の実測」で各種情報が発表されるよう基準化されています。その内容を改めて抜粋すると以下のとおりです。

〇避難準備情報:大雨・洪水警報かつ1時間に40ミリ又は3時間に65ミリを超過
〇避難勧告:大雨・洪水警報かつ1時間に52ミリ又は3時間に83ミリ
〇避難指示:大雨特別警報の発表

さて、この基準ですが、避難準備情報と避難勧告の間には雨量面での違いがあり、一見もっともらしく見えるかもしれません。

ただ、気象関係者など、見る人が見ると・・・・

長くなるので続きは次回に述べたいと思いますが、先に述べたとおり、多くの自治体が雨量や警報発表状況等を避難勧告等の基準に取り入れています。

その取り入れ方を分析すれば、自治体が気象情報(観測雨量といった情報を含む)をどう使おうとしているか、また、そこにどのような課題があるかが分かります。

今日は詳しく書きませんでしたが、少なからぬ問題を抱えた避難勧告発表基準等に基づいて実際に地域社会が動くようプログラムされているので、これから先、シリーズとして各地の実例を取り上げながら、避難勧告等の基準と気象情報について考えていきたいと思います。

(「【日本】避難勧告等の基準を考える上での論点(愛知県A町のケース)」に続く)