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【コラム】天気予報の鮮度と大雨時に利用するナウキャスト情報について

こんにちは。渡邉です。

大雨の時には気象関係者の行動パターンを真似て、気象レーダーを見ようと一昨日のブログでお伝えしました(こちらです)。

大雨が降っている時は気象レーダーを見ること以外にも見た方がよい情報がたくさんあります。

例えば、それは次のうちどれでしょう?

1.テレビやウェブで確認できる1時間(あるいは3時間)のピンポイント予想
2.これから数時間先までの雨雲の動きが分かるナウキャスト情報

答えは2ですが、1を選択される方も多いかと思います。

ピンポイント予報はNHKのデータ放送だと次のような画面で表示されるそうです。

出典:NHKホームページより(こちら

















1時間ごとの雨の雨量まで分かり、一見便利そうに見えますが、実はあまりお勧めしません。

というのは、こうした1時間ごとの情報を作った時点とテレビなどで予想が流れる時間には時間差があり、現状や直近の状況を踏まえての予測を伝えているわけではないからです。

こうしたことが背景にあるために、テレビの1時間予報を見たら1ミリ程度しか予測されていなかったのに、今現在は1時間に70ミリ近い雨が降っているという事が起こりえます。

大雨時の天気予報は鮮度が重要です。

仮に30分前に作った予報でも雨の展開によっては予報を修正したほうがよい(新鮮な予報を作った方がよい)事態があります。残念ながらテレビやインターネットの1時間予報は情報配信システムの都合上、いつも新鮮な予報が並んでいる訳ではありません。

大雨の時に見るべきものは、2のナウキャスト情報です。

ナウキャスト(Nowcast)とは、直近の状況を踏まえて目先の予測を組み立てていく気象予報の一種です。ツールとして代表的なものに気象庁の高解像度降水ナウキャストがあり(こちらです)、1時間先までの予測が5分間隔で発表されます。

例として以下のナウキャスト情報を見ると、9時までの時点で九州の2か所に発達した雨雲がありますが(暖色系の部分)、この先10時にかけて同じようなところに影響し続けて大雨が続く可能性があることが分かります。

ナウキャストの例(気象庁ホームページより(こちら))









直近の雨の予報を知りたい時、鮮度的には降水ナウキャストに勝る情報はありません。テレビやインターネットのピンポイント予報ではなく、ナウキャスト情報に現れる雨雲の動きから大雨が継続しそうかなどを見るのがまずはお勧めです。