2015年2月18日水曜日

【日本】避難勧告等の基準に大雨の特別警報をどう取り入れるか その2(山形県S市の例)

こんにちは。渡邉です。

大雨に関する特別警報を避難勧告などの基準にどう取り入れるかについて昨日から考察しています(昨日分はこちらです)。

今日は山形県のS市の基準を基に議論をします。S市では、気象情報等に基づいて、避難準備(左)、避難勧告(中)、避難指示(右)が発表されます。ご注目頂きたいのは避難指示の1の基準です。


避難指示の1を抜き出すと以下のとおりです(下線部は筆者による)。
大雨警報(浸水害)が発令され、さらに記録的短時間大雨情報が発表された場合等により、大雨特別警報(浸水害)の発表が高まった場合
この基準に関しては次のような論点が考えられます。

■論点1:特別警報の「高まり」を基準としていることについて
・特別警報が発表された時には「時すでに遅し」という可能性があるので(詳しくはこちらの回のブログ等にまとめています)、そうなる前までに避難の指示を行おうという発想です。
・1点問題があるとすれば、「特別警報の発表が高まった」状態を誰がどう判断するかという点です。
・気象台から自治体へのホットラインで特別警報発表の可能性が高まった旨の連絡が入る、あるいはこまめに気象台に問い合わせるというオペレーションが組まれているかもしれませんが、基本的には雨雲の動きや雨量を注意深く見ていくことが必要となってきます。

■論点2:特別警報は都道府県を面的に見る必要があることについて
・特別警報の運用基準は以下のとおりです。
気象庁資料より(出典はこちら

















・特別警報は1つの自治体程度の大雨ではなく、府県レベルの広がりの範囲内で起きる大雨を想定して制度化されたものであるため、特別警報の発表が高まっているか否かを判断するためには府県レベルで考える必要があります。
・具体的は次の資料と実際の雨量を見比べる形になります。
気象庁資料より(出典はこちら






















・大まかに言えば、山形県内の広い地域で3時間に100ミリを超えたり、48時間で200ミリを超えてくるような降り方が特別警報クラスの雨と見当をつけることができます。
・雨量計のデータなどを使えば特別警報級の雨かどうかを調べることも可能ですが、特別警報の発表基準がやや複雑なため気象台に確認する方が確実です。
・なお、3時間雨量は国土交通省防災情報提供センター(こちらです)などですぐに把握できます。


以上がS市の基準に関する主な論点です。特別警報の発表の可能性が高まった場合に避難勧告ではなく避難指示でよいのか、という点も検討の余地があるかもしれません。

(「 【日本】半世紀近く前に作られた基準と現行の土砂災害関係の情報をどう避難勧告基準に織り交ぜるか」に続く)