2014年11月30日日曜日

【地域の弱さを知る vol.9】下水道の対応能力から見た地域の弱さ

こんにちは。渡邉です。

ブログを書くのは早朝であったり、日付が変わる前であったり様々ですが、今日は後者です。

さて、大雨が降った時、マンホールから水があふれ出て内水氾濫が起こります。
では、どういった雨量からそうした危険性があるのでしょうか?

今日はその点についてまとめていきます。

※前回のブログはこちら

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■下水道の対応能力から見た地域の弱さ
大雨に対する地域の弱さをあらかじめ把握することで、いざ大雨となった時に危機を危機として認識できます。裏返して言うと、その点に関する認識がなければ十分な対応が取れません。このことがあるので、気象情報を使いこなす基本中の基本として、まずはお住まいの地域の弱さを知っておく必要があります。

地域の弱さを具体的に把握するため、ここまでは降ってくる雨の量を主軸として考えてきました。これに対し、地域側の排水や治水能力の限界を知ることも別のアプローチ方法として有効ですので説明を加えたいと思います。

集中豪雨などがあると、下水道から水があふれ出ることがあります。これは、ある一定の雨量までは地域の雨水処理のシステムが機能しても、その限界を超えた雨量に対しては脆弱、つまり、お手上げなことを示しています。

このいわば「下水道の限界レベル」はそれぞれの自治体や地域の状況によって異なるため、詳しく知りたい場合はお住まいの自治体の下水道担当課に問い合わせ、「どの程度の1時間雨量まで対応ができるのか」を確認するのが1つの方法です。

ただし、そこまでするのは手間がかかるのも事実なので、気象庁が作成した「雨の強さと降り方」の表を参考にすることもできます。*1

雨の強さと降り方(気象庁ホームページより)





















一番左の「1時間雨量」と一番右の「災害発生状況」を対応させ、下水についての記述を抜き出してみると以下のとおりです。

           1時間雨量:災害発生状況
   20ミリ以上~30ミリ未満:側溝や下水、小さな川があふれ、小規模の崖崩れが始まる
   30ミリ以上~50ミリ未満:都市では下水管から雨水があふれる
   50ミリ以上~80ミリ未満:マンホールから水が噴出する

前述のとおり、お住まいの地域の状況に照らし合わせないと確実なことは言えないわけですが、それを承知の上で一般的に言えば、時間雨量が20ミリ以上、特に30ミリ以上/50ミリ以上となると下水道の対応能力を超えた状態となり、被害が拡大していきます。

東京都23区の平成25年の被害状況(下表)*2を見ると、気象庁の上記の目安は実態ともおおむね合致しているように見受けられます。なお、この被害状況をまとめた東京都下水道局は、「降雨が時間50ミリを超えると、被害規模が大きくなる傾向」があることを指摘しています*2。

平成25年の主な降雨と被害状況(東京都下水道局調べ)














東京都下水道局では、「一定規模以上の床上浸水が集中して発生した地域では、既存幹線の
下に新たな幹線を整備するなど、時間 75 ミリの降雨に対応できる施設を建設」する方針を出し*2、下水道の限界レベルを上げようとしていますが、こうした対応をもってしても1時間に100ミリ近い集中豪雨が起これば被害が発生すると予測されます。

このように、下水道の対応能力を把握しておくことで、実際に大雨になっている際に、内水氾濫の可能性をリアルタイムの雨量情報から読み解くことができます。ひとまずは、時間30ミリ前後以上から危険という数字をぜひ覚えておいてください。

(続く)

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(出典)
*1:気象庁・雨の強さと降り方
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/amehyo.html
*2:東京都下水道局「豪雨対策下水道緊急プラン」
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infn0787/infn0787_pdf02.pdf