2014年12月13日土曜日

【無料ツールで災害対策 vol.4】テレビの気象情報を利用するときのコツ(台風編)

こんにちは。渡邉です。

台風が来た時など、テレビの気象情報をご覧になる方も多いかと思います。
今回はNHKの気象情報を例に、そこから何を読み取るとよいのかをまとめてみます。

----------------------------
■テレビの気象情報の使い方
気象情報を使いこなすことは、気象に関する予測や実況、その他の情報の中から「その雨はこの地域にとって危険か」を読み解くことであると前に述べました(こちらのブログです)。この観点からテレビの気象情報を分析すると、実は理解するのに多少なりともコツが必要な伝え方をしていることが明らかになってきます。

実例を挙げてみましょう。

2014年10月の台風19号の際に、NHKの総合テレビで放送された台風・気象情報の内容を書き起こしたものが以下になります(実際の画像はyoutubeで見ることができます*1。下線部は渡邉による補記です)。

台風19号の影響で、南西諸島は大荒れの状態が続く見込みです。 午前7時の台風19号の推定の位置は、奄美大島の西南西およそ210キロのところに中心があるとみられます。中心の気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、強風域が広く大型の台風で、九州南部や九州北部の一部が強風域の中に入っています。また、奄美大島や沖縄本島は暴風域の中に入って、動きがとても遅いため、まだしばらく大荒れの状態が続く見込みです。 
この後台風は、今日の日中は北の方向に進路を取り、そして明日になると東よりに進路を変えて、明日の朝には九州南部に接近、そして14日火曜日の朝は、近畿から東海、関東などに接近する見込みです。南西諸島は今日は大荒れの状態が続き、明日は西日本、東日本から北日本は明後日大きく荒れる見込みです。 
今日のこれからの雨の移り変わりです。今日の日中は南西諸島や九州の南東側で雨が降る見込みです。強く降る所もあるでしょう。そして明日の日中は九州、そして夕方になると四国、夜になると近畿などで激しく降るところがある見込みです。明後日になると東海から関東、そして東北などで激しい雨の降るところが出てきそうです。 
では今日の各地の予報です。 南西諸島は大荒れの状態が続く見込みです。九州南部も雨・風ともに非常に強まってくるでしょう。 
今日日中の予想最高気温です。関東から西は25度前後のところが多いでしょう。 
向こう一週間の天気です。明日は西日本などを中心に天気が大きく荒れて、14日火曜日は東日本などを中心に荒れる見込みです。

この回では地域ごとの雨量情報(「多いところで○ミリ」といったもの。下図参照)がありませんでしたが、台風情報を伝える際の天気予報の型をある程度踏襲したものであると言ってよいかと思います。

地域ごとの予想雨量を示した図 (NHK)















さて、この文字で起こした情報の中からどの程度、「その雨はこの地域にとって危険か」を読み解くことができるでしょうか。

実は、雨量に関する情報は、「強く降る」「激しく降る」という気象用語(引用したものの中の下線部に該当)で間接的に伝えられています。「強い雨」は1時間に20~30ミリ、「激しい雨」は1時間に30~50ミリを意味します(下表参照)*2。

雨の強さと降り方(気象庁ホームページより)





















なお、例として挙げた天気予報の解説では「四国」や「近畿」など地方ごとの言及しかないため、これだけだとお住まいの地域への影響が分かりづらいです。そこで、ある程度の役に立つのが、「これからの雨の動き」として映像で紹介される図です(以下参照)。

雨の動きとして紹介される図
(NHK気象ニュースより)











この図を使って解説が行われる際には、赤や黄色で示された部分がお住まいの地域にかからないかを注意して見ます。赤や黄色がかかるようでしたら、何時の予測かという点と、何時間継続するかを併せてみます。これにより、影響が見込まれる時間と大雨の深刻度(継続時間が長いほど雨量が増す)が分かります。

また、この「雨雲の動き」を見ると、先に紹介した「多いところで○ミリ」の「多いところ」がどこか見当をつけることができます。「多いところ」とは、赤や黄色が継続的にかかり続けている場所の場合があります。

「雨雲の動き」はコンピューターによって計算された予測値ですが、実際の降水量はこれよりも多かったり少なかったり、大雨となる場所が予測よりもずれたり、予測された影響時間よりも早まったり遅くなったりすることがあります。また、局地的な降り方をするなど、この計算結果では表現できない雨で大雨となることもあります。このため、「雨の動き」はあくまで傾向を掴む程度の参考情報としてとらえ、実際の雨雲の動きはリアルタイム情報である気象レーダーで確認します(いずれ特集記事の中で触れます)。

NHKの気象情報をはじめ、テレビで気象情報をご覧になるときは、雨量について直接的か間接的に言及されていないか注意を払うことと、雨雲の動きを見て地域の大雨の可能性を把握することをお勧めします。なお、テレビの気象情報は大雨の可能性をキャッチする上では有効ですが、お住まいの地域に即した細かい情報が提供されるわけでは必ずしもないので、他の情報も参考としていく必要があるといえます。

(「テレビの気象情報を利用するときのコツ(トップニュース編)」に続く)
----------------------------
(出典)
*1:台風19号NHK先読み情報 投稿動画/Typoon19 vongfong Warning NHK foresight info Video Posts  0:52~2:44を抜粋
https://m.youtube.com/watch?v=c-QuE9PNfoE


*2:気象庁・雨の強さと降り方
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/amehyo.html