2014年12月10日水曜日

【無料ツールで災害対策 vol.2】気象情報の海に溺れないための1つの問い

渡邉です。こんにちは。

昨日のブログでは無料で入手できる気象情報などを列挙した図を使いました。今日は昨日使った図を少しわかりやすく変形させながら、気象情報を使いこなすこととは何かをまとめてみたいと思います。

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■「気象情報を使いこなす」とは
各種機関から発表される気象情報や防災情報を個人のレベルでどう活用したらよいかはしばしば議論の対象となりますが、本質的な改善策となると具体的な提案が乏しいのが実情です。「防災教育に力を入れるべきだ」という指摘もありますが、様々な情報を統合的に利用するための社会的な教育プログラムは皆無に等しい状態です。

それではどうしたら情報の海に溺れることなく、気象情報を使いこなすことができるようになるのでしょうか。

1つの解は、「その雨はこの地域にとって危険か」というシンプルな問いを起点として情報に接することです。これを軸として気象情報を見ていくわけですが、議論を進める前段階として、気象情報(防災情報を含む)の中身を精査して3つのカテゴリー分けをしてみたいと思います。

(1)事前の予測
1つは「事前の予測」に関することで、数日から数時間程度前にどのような雨となるかを予測するものです。翌日の天気予報などがこれに該当します。 
(2)実況(事中の予測を含む)
気象情報には「実況」に関する情報もあります。「実況」とは、今どこでどのような大雨が降っているのかを示す情報であるとともに、この先1時間~数時間程度でどのように雨が推移していくかの情報(ナウキャスト情報と言います)も含めることとします。 
(3)補完情報
河川の水位や土砂災害の発生の可能性に特化した情報は雨量に関する「予測」や「実況」を補完する情報として位置づけることができます。

このように、カテゴリー別に考えることには2つのメリットがあります。1つは気象関連の情報は多岐にわたるため、カテゴリー化することで整理をしやすくすることです。もう1つのメリットは、特に「事前の予測」と「実況」を分けて考えることで、雨の危険性を読み取るときの注意点やポイントをそれぞれ把握できることにあります。

これらのカテゴリーを念頭に置きながら、「その雨はこの地域にとって危険か」に関して情報を得ていくことが気象情報を使いこなすことであると言えます(下図参照)。

「その雨はこの地域にとって危険か」を軸に各種情報を見ます
※この図では事前と実況の予測は厳密に区分していませんので、
事前の予測とした中に事中の予測に近い性質のものも含まれます。











なお、雨の危険性を判断する際には地域がどのような雨量に対して弱いのかという情報を利用します。雨量面から見た地域の弱さは、「地域の弱さを知る」シリーズ(特集記事の「2」)でまとめました(こちらです)。地域の弱さを示す雨量は固定的なものではなく、様々な条件によって変化したり、有効性が変わったりするものではありますが、気象情報を使う時に雨の危険性を判断する重要な手掛かりです。

(「『雨量に対する地域の弱さ』確認シート」に続く)

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