2014年12月1日月曜日

【地域の弱さを知る vol.10】大雨に対する中小河川の対応能力を調べる

こんにちは。渡邉です。

昨日の下水道(こちらのブログです)に続き、今日は中小河川の対応能力を
調べる方法をご紹介します。

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■大雨に対する中小河川の対応能力を調べる
内水氾濫に備えるため、下水道の対応能力を把握することが参考になると述べてきました。一方、雨水が流れ込む先の河川の対応能力を把握することで、外水氾濫の危険性を知ることができます。

河川がどのレベルの大雨に対して弱いのかを知るには、それぞれの河川の整備に関する計画を見ます。

日本では、河川法という法律により、河川管理者(国土交通大臣や都道府県知事等)に「河川整備基本方針」や「河川整備計画」の作成が義務付けられています(未策定の河川の場合は、「工事実施基本計画」がこれに相当します)。

まずは中小河川を例にして、上記の計画の見方を説明します。

中小河川の場合は、インターネットの検索サイトで「○○都道府県 河川整備計画」と入力すると関連情報にたどり着くことができると思います。

河川整備計画には流域図の他、水害対策の歴史的な経緯などがまとめられています。「地域の弱さを知る」ということを目的とした場合、河川整備計画から読み取る情報は主に以下の2点です。

   1.どの程度の降雨を対象として整備しているか
   2.整備率はどの程度か
   
上記の点に着目しながら、実際に河川整備計画を見てみましょう。ここでは東京を流れる神田川を例に挙げます。

1についてですが、神田川流域は「現在は1時間に50 mm規模の降雨に対応できるように、河道の拡幅や掘削、調節池、分水路の建設を行ってきている」と明記されています(同計画書、p.8)。続いて、2の整備率については、「用地の確保や支障物件の移設等に長期間を要しており、50 mm規模の護岸整備率は約6割という状況」(同計画書、p.8)です。

これはつまり、護岸整備が終わったところでも1時間に50ミリ以上、対応が終わっていないところではそれ以下の雨量で影響が生じることを示しています。

神田川流域は1981年には1時間に30ミリ規模の降水対応が完了しているので(同計画書、p.8)、流域の約4割が当時のままの30ミリ対応であることがわかります。神田川流域で発生した最近の水害を見ても、50ミリ前後かそれを大幅に超える雨(1時間に70ミリや112ミリの雨)で被害が発生しています(下表参照*2)。

神田川流域の主要水害記録
(出典:荒川水系神田川流域河川整備計画 p.9)

今回は神田川流域を例としましたが、他の中小河川の整備計画でも整備対象とする雨量や整備率、過去の災害が記載されていることがあるので、これを使って大雨に対する中小河川の弱さを把握しておくことが望まれます。

(「流域の大きな河川の雨量に対する対応能力を知る」に続く)

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(出典等)
*1:荒川水系神田川流域河川整備計画
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kasenseibikeikaku/pdf/kandagawahonbun.pdf
*2:S58.6.10の事例では、時間降水量や日降水量が30ミリ程度であるのに対し、浸水棟数が2400棟を超えています。30ミリでこの規模の災害が起こるとは考えにくいので、雨量計のないところで局地的な大雨があったことが推測されます。