2015年3月25日水曜日

【コラム】災害情報の伝達はいつも注目を集めますが・・・(後編)

こんにちは。渡邉です。

前回(こちらです)は災害情報の「伝達」に注目が集まることを札幌市の事例をあげて紹介しました。

一方で、世界気象機関(WMO)が発行した報告書"Flood Forecasting and Early Warning"では、災害警戒情報のコミュニケーションを考える際のモデルとして以下の図と説明をあげています。

災害警戒情報と行動変容のモデル(WMO報告書より(こちら))


















この報告書では災害情報がうまく使われるようになるためには人の行動に着目する必要があることを指摘しています。そのうえで、人々の行動変容をもたらす説得力のあるコミュニケーションには次の3つの段階が必要であると述べます。キーワードの後の説明は例として挙げられているものの訳です。
1.気付き(Awareness):自分たちの置かれている状況に関するリスクに気づいていること 
2.理解(Understanding):家族や地域に対して進行する大雨などがどのような影響を及ぼし得るか分かること 
3.承諾(Acceptance):警戒情報に従わなければ怪我やいのちの危険があるという見解を受け入れること
情報伝達重視のパターンと上記を比較して1つ事実として言えることは、情報が伝達されればすべて解決するという枠組みではないということです。また、上記の1・2・3どれもが情報を受け取った個々人の対応力を問題としています。

「情報伝達がうまく行けば自動的に人は避難行動をとるはず」という見方を批判的に検証しながら対策を練っていかない限り、災害情報の有効利用に関する議論は表面的なもので終わる可能性があります。

「人の行動変容」についてより積極的に着目していくことが必要ではないでしょうか。