「災害時に情報をどう伝えようとしているのか」をお聞かせください。個⼈や地域、組織などの気象情報利⽤⼒を⾼める具体的な⽅法をご提案します。コンタクトフォーム

2015年3月21日土曜日

【コラム】「バックビルディング」の解説が気象庁の予報用語集に復活する日は近いか?

こんにちは。渡邉です。

豪雨をもたらした大雨をニュースなどが報道・解説するときに「バックビルディング」という言葉を聞いたことはありますか?

以前このブログで以下のように取り上げたことがありました(こちらの回です)。

・・・2014年のユーキャン新語・流行語大賞の候補語に「バックビルンディング」という気象関係の用語が含まれていました。流行語大賞の候補語をまとめたサイト*1を見ると、2014年8月の広島豪雨発生メカニズムの解説から広まっていった言葉であるようです。 
マスコミが取り上げた「バックビルディング」の説明(「積乱雲が建ち並ぶビルのように見えることから、バックビルディング現象と呼ばれる」といったようなもの)が、気象研究者から見たらトンデモだった*2というのもコミュニケーションを考える上では興味深いテーマですが・・・

実際のバックビルディングを見ると「積乱雲が立ち並ぶビルのように」見えますか?右側のイラストを見るとそのように見えなくもないですね。

バックビルディングの例(気象庁資料より)


















さて、このマスコミの誤解が生まれた遠因の1つを昨日たまたま見つけました。気象庁の予報用語が2007年に見直された際、それまでは用語集に含まれていた「バックビルディング」が削除されていたのです。

予報用語見直しのプレスリリースに「天気予報や解説では用いないことから削除した用語」としてつけられたPDF(こちらです)を引用すると次のとおりです。

2007年の気象用語の見直しで削除された用語(気象庁HPより)















削除された「バックビルディング」の定義を見ると、「積乱雲が進行していくその後ろ側で、繰り返し新しい積乱雲が発生する状態。集中豪雨は、このように繰り返し積乱雲が発生することで生じることがある」とあります。これを読むと「バックビルディング」は「積乱雲が立ち並ぶビル」といった見た目ではなく、雨雲の発生のメカニズムに注目した用語であることが分かります。

「バックビルディング」は2014年3月現在の予報用語集(こちらです)にも含まれていません。

流行語大賞の候補用語になるなど昨今の豪雨災害を受けて人目に触れる言葉になってきていることや、大雨の危険性をリアルタイムで伝える際にも意味のある言葉であるので、できるだけ早い段階で再度予報用語集に復活されていくことが望まれます。


(引用)
*1:流行語大賞候補語をまとめたサイト
http://matome.naver.jp/odai/2139591219654639001?page=2
*2:「天気と気象について わかっていること いないこと ~ようこそ、空の研究室へ~」の2014年8月21日付記事参照
https://www.facebook.com/SoraLabo?fref=photo