行政が発出した警告・警報に対し、受け手がどう反応し、
行動しているかをほぼリアルタイムで把握できる時代だ。
【人流ビッグデータ×AIで見る新型コロナウイルスの影響:
緊急事態宣言(4/7)による「外出自粛」への影響調査】が
まさにその典型である。
これは災害情報の面で画期的だ。
これまでの災害情報の流れは、行政から受け手への一方通行であった。
情報を発出した後に人々の行動変容を把握しようとしても、
部分的な印象に基づいた評価であったり、
時間的に間が開く事後評価となっていた。
前者は客観性がなく、後者は速報性がない。
しかし、ビックデータを使って人の行動を見ていくとなると話は変わる。
客観性と速報性を兼ね備えたフィードバックが短期間で手に入る。
あるメッセージで期待した通りの行動変容が見られるかすぐに評価できる。
行政は受け手の行動変化(あるいは不変化)を踏まえ、
メッセージの内容や対策を早いサイクルで修正していくことが可能だ。
災害対策の分野でもこの技術が使われる余地が十分にある。
行政が避難勧告や避難指示を呼びかけた後の住民の行動が
見える形で行政にフィードバックされる。
行政はそれを踏まえて対応やメッセージを変えていく。
短期間に状況が悪化するタイプの災害では
現実的には運用面などで無理があるかもしれない。
人の行動を見て呼びかけを変化させていく程度の時間的余裕はあるはずだ。
そうした場面での導入が今後期待される技術だ。