気象庁が危険度分布の使い方を開設した動画を公開している。
要点を1分にまとめるため、かなり早口だ。
この動画の中では「避難が必要な場所は紫色で表示される」と説明している。
シンプルにまとまった動画だが、説明されていないことも多い。
例えば紫色になる前段階のうす紫色の話や、
赤色や黄色の表示については紹介なしだ。
また、危険度分布は3種類あり、
内水氾濫、中小河川の外水氾濫、土砂災害の何を
調べたいかによって見るべき危険度分布の情報は違うことも
明確に触れられていない。
危険度分布がそれぞれ何時間後までのことを
対象としているのかも特に言及はない。
このように、危険度分布一つとっても説明すべき点は山ほどある。
「危険度分布の使い方は簡単だ」と動画で述べている。
確かに、見るだけなら簡単である。
ネットでアクセスすればすぐに情報にたどり着く。
しかし、情報から危険を見極め、適切なタイミングで
行動してもらうことまでを見据えると、使い方は本当は難しい。
使い方の説明は、よく言えば丁寧に、
悪く言えば複雑にならざるを得ない。
簡単さを取れば抜け落ちる点がある。
細かく伝えれば複雑化する。
そのジレンマの克服が防災情報や気象情報をめぐる今の課題である。