新型コロナウィルスで筆者の住むオランダでは
3月からソフトなロックダウンが取られている。
3月からソフトなロックダウンが取られている。
1.5メートルの社会的距離が取れない飲食店は軒並み営業不可。
映画やイベントなどももちろん認められない。
都市を結ぶ鉄道は30分に一本のレベルまで間引きされ、
国内の4割の労働者が毎日在宅勤務を行なっているという数字もある。
対策の効果があり、死者や新規入院患者のピークは一旦超えた。
重症患者の一部はドイツに運ばれたが、
国内で対応できるレベルでICU患者数は止まりはした。
しかし社会を止めたために、経済への影響は大きい。
IMF(国際通貨基金)は2020年のオランダの成長率を-7.5%と予測する。
今、欧州各国はロックダウンをいかに緩めていくかの段階にある。
しかし、すぐに元の生活に戻すことはできない。
対策の手を緩めればICUで対応できる患者数を数倍上回るレベルでの感染となる。
対策の手を緩めればICUで対応できる患者数を数倍上回るレベルでの感染となる。
このため、医療のキャパシティーを超えない範囲内で
経済や社会を少しでも回す方法が模索されている。
経済や社会を少しでも回す方法が模索されている。
そのコンセプトとして出てきたのが冒頭の「1.5メートル・エコノミー(経済)」だ。
オランダのルッテ首相は各業界団体や各産業部門、政府の全省庁に発破をかけ、
新型コロナの爆発的感染と隣り合わせという「新しい現実」下でも
収益が上がる方法、社会が運営できる方法を見出すよう指示している。
それが「1.5メートル経済」である。
最悪を直視しつつ、その中で最善を目指すというオランダの危機管理の姿勢。
終わりのない危機が日常となる中、その姿勢は評価に値するものではないか。