水害時の避難の決め手の一つとして
「身の危険を感じる雨」が挙げられる。
以下は国土交通省の資料から抜粋したもので
平成30年7月豪雨の被災者を対象にした調査結果だ。
「雨の降り方などで身の危険を感じたから」が全体のトップで、
5人に1人以上が避難の決め手となったと答えている。
雨の降り方から身の危険を感じ避難しているのであれば、
その行動を足がかりにして望ましい方向にもっていく戦略が考えられる。
望ましい方向というのは、逃げ遅れが発生しないよう、
避難しなければならない状況の際には避難するというものだ。
避難しなければならない状況はどんな時か。
過去に大きな災害がおきた時と同じ時や、
ハザードマップで想定されたような事態が見込まれる時などだ。
そうした事態に至る可能性は雨量に現れる。
過去に災害が起きた時の雨量、
ハザードマップで浸水想定の根拠として使われている雨量。
それらの雨量は災害の可能性を示す手がかりでもある。
大雨が降ったその先に何が起こりうるのかのシナリオを示す。
現時点でも、雨に対して身の危険を感じるから人は避難する。
しかし、「身の危険」は時に漠然としている。
雨量を通じてこの先何が起こりうるかのシナリオを描ければ、
もっと具体的に「身の危険」をイメージでき、
避難行動も強化されることが期待できる。
住民の避難率を上げるためには
災害と雨量に関する知識の普及が急務だ。