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「防災意識の向上」を目指すなかれ


自治体が防災のイベント、講演会などを企画する際には
防災意識の向上を目的としがちだ。

これでは得られるものの結果が最初から目に見えている。

一時的に「防災意識」は高まれど、喉元が過ぎれば
前と変わらないだろう。

防災意識の向上をゴールにするのではなく、
防災行動の変容を目指すのはどうか。

「気象災害に対する防災意識を向上させる」ではなく、
「避難する際の行動をより望ましいものにする」といった具合だ。

一つ一つの行動をどう変えるかを軸に働きかけるのである。

ゴールが具体的であればあるほど、その状態にするまでに
何が足りていないのかが見える。

それが分かれば働きかけ方も自ずと焦点が絞れる。
プログラムも組みやすく、事後評価もしやすい。

課題となって行動を分析すれば
ゴールとして広めたい行動が見えてくる。

そのゴールが達成されるように、さらに細かい行動に分けて
働きかけを体系化していく。

その方が防災意識の向上を追い求めるよりも
効率的であり、かつ効果的ではないだろうか。

「心構え」や「防災意識」を語るのは過去のことにしよう。

人に働きかける役割を担う人には、
具体的な行動変容をぜひ目標にしてほしい。