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【日本】インターネット時代の実践的な防災教育とは

こんにちは。渡邉です。 特集記事「気象情報の利用特集」の中でも触れましたが、昨今の集中豪雨による土砂災害の多発などを受け、国土交通省は「新たなステージに対応した防災・減災のあり方に関する懇談会」を設置し、専門家を交えて今後の防災対策を話し合っています。共同発の新聞記事*1によると、平成26年11月26日に第3回目の会合が行われ、報告書がまとめられました。 報告書の概要についての記事を引用すると、今後は「行政の勧告を待たずに住民が主体的に避難する社会を目指すべき」であり、「住民の意識を高める」ため、「子どもの防災教育を充実するほか、最大クラスの雨が降った場合の被害想定を策定、公表するなど」が盛り込まれているようです*1。 現時点で第3回目の会合の議事録や報告書が公開されていないので*2、詳細なコメントは本来時期尚早かもしれません。ただ、このブログで今まとめている「気象情報の利用特集」とこの議論が密接に絡んでいるので今回取り上げました。 「行政からの情報を待たずに住民が主体的に判断する」というのは実際にはそのとおりだと思います。ただ、これを達成するための手段が「子どもの防災教育や被害想定の策定・公表」しかないと考えているとしたら、それは問題に対する処方ミスの可能性があります。 なお、上記の懇談会の事務局が作る資料を見ていると、問題のとらえ方そのものにも一定のバイアスがかかっているように見受けられます。第3回懇談会の資料に報告書の素案があるのでそれを見てみますと、「はじめに」(p.2)に興味深い記述があります*2。 大量の情報を容易に入手できるインターネット等が普及したことにより、自ら情報を分析する能力が低下し、各種マニュアルが整備された結果、マニュアル偏重で自ら判断する能力も低下する等、明らかに人が災害に対して脆弱になっている。  インターネットが普及→大量の情報が入手できる→分析する能力が低下→マニュアルも整備されている→マニュアル通りのことしかできない→自分で判断できず災害に対して脆弱、といった議論です。 果たして、そうでしょうか? 私の見立てとアプローチは上記と全く異なります。 インターネットなどで大量の情報が入手できるから、人は情報分析の能力が低下したわけではありません。そうした情報を使いこなす方法がこれまで伝えられ...

【オーストラリア】災害時に見る気象オタクの社会的役割

こんにちは。渡邉です。 今日のロッテルダムは曇りで時折雨がぱらついています。基本的には毎日この天気が続いています。 さて、今日は、オーストラリアでは災害時に気象オタクが情報発信・情報収集の面で活躍しているという話です。 以前にも少し書きましたが、ブリスベンには The Brisbane Storm Chasers という団体があります。このほかにも、オーストラリア全土の気象現象をカバーする John's Weather Channel (JWC)という団体があったり、他の都市でも似たようなコンセプトの市民団体があったりします。 彼らのFacebookページを見ると、大雨が予測される時は気象予測モデルの図を利用して解説したり、レーダー画像を使って雨雲はどう動くかをリアルタイムで伝えたりしています。もちろん、雨雲が発達しそうになったら車を飛ばしてその場に駆けつけて写真や動画を撮ったりする団体もあります(なぜそれをやっているか?と聞くのは野暮です。純粋に楽しいからだと思います)。 グループのメンバーが普段何をしているのかは分かりませんが、空港の管制塔から撮った写真などをフェイスブックページで公開していたので(←日本でこれをしたらたぶんアウトですが、オーストラリア的にはOKのようです)、何らかの業務で気象にかかわっている人が多いようです。 ところで、彼らの伝える大雨情報は、「形」よりも「内容」重視です。大雨に対して注意や警戒を呼びかけるときは、書きたいこと(伝えるべきだと思っていること)を書きたいだけ書いています。 先日、ブリスベンで雹や突風が吹いて短時間強雨による災害が発生したのですが、その豪雨をもたらした雨雲の接近を彼らがどう伝えたのかを例に挙げてみたいと思います。以下の図が当時のフェイスブックページへの投稿で、図の下の英文は、投稿の本文を抜き出したものです。 大雨の時の解説の一例(JWCのFacebookページより) HEADS UP!! BIG DANGEROUS INTENSE STORM MOVING THROUGH SOUTHERN SUBURBS OF BRISBANE IN A NORTH TO NORTH EAST DIRECTION, THIS STORM IS DANGER...

【オーストラリア】緯度経度から「○年に1度の雨」の雨量が分かります

こんにちは。渡邉です。 特集記事の中で、「○年に1度」の降雨について紹介しました。日本の気象庁のウェブサイトでは、市町村単位で3時間と38時間の間に降る「50年に1回」雨量が分かります( こちら の回です)。 一方で、オーストラリアの気象庁のサイトでは、緯度経度を入力するとピンポイントで「○年に1度」の降雨が検索できます。こちらのサイトです。 http://www.bom.gov.au/water/designRainfalls/revised-ifd/ 「○年に1度」の雨量が緯度経度で分かるシステム (Bureau of Meteorology(BOM)) 緯度と経度を入れると、下記のような形で1分から168時間まで、単位時間当たりのAEP(Annual Exceedance Probability)が入手できます。 AEPと「○年に1回」(Average Recurrence Interval (ARI)) の置き換えに関する詳細は註で紹介しますが*1、AEP1%は「100年に1回の雨」、2%は「50年に1回の雨」、5%は「約20年に1回の雨」、10%は「約10年に1度の雨」、20%は「約5年に1度の雨」といった形です。 Brisbane Airportの緯度経度を入力した例 (BOM) 上記の表はグラフでも参照できます。ある大雨が降った時に、降り始めからの時間と観測雨量をこのグラフにプロットしていけば、その雨が何年に1度の雨に相当するかが一目瞭然で分かります。 Brisbane Airportの結果がグラフになったもの(BOM) オーストラリアの平均雨量は沿岸部、内陸部によって大きく異なります(下図参照)。このため、AEPの値も場所によって様々です。 オーストラリアの平均雨量(BOM) 試しにエアーズロック近辺のAlice Springsの値とグラフは以下のとおりで、雨が比較的多い東海岸のブリスベンとは「大雨」の量がかなり違っていることが分かります。 例えば100年に1回の雨量(AEP 1%)についてみると、アリススプリングスは1時間で6...

【地域の弱さを知る vol.13】危険な雨を知り、大雨を迎え撃つ

こんにちは。渡邉です。 今日は地域の弱さを知るシリーズの最終回としてのまとめ記事です(前回は こちら )。 大雨を「敵」と例えてみたら、これまで書き続けていたことが割ときれいにまとまりました。 明日・明後日のブログでは小ネタを挟んでいきます。 ではどうぞ。 ---------------------------- ■危険な雨を知り、大雨を迎え撃つ ここまで12回にわたって雨量面から地域の弱さを知る方法を書いてきました。例えが適切かどうかは別して、ここまでの議論の整理に役立つので大雨を「敵」として考えてみたいと思います。 まず、大雨による被害を減らすには、「敵」の強さを知らなければなりません。自分にとって手ごわい敵か、以前に負けたことがある「敵」かは重要な情報です。また、己の強さ(防御力)を知ることもいざという時の判断に役立ちます。 ある地域にとって手ごわい敵(災害をもたらす可能性のある大雨)を把握するのに便利なのが、50年に1回の規模の降雨という目安でした( こちら です)。そのほかにも、観測史上で上位に相当したり、月間降水量や年間降水量の何割かに迫ったりする雨も手ごわい雨です( こちら です)。 また、以前に負けたことのある敵(ある地域で災害が発生したことのある雨量)の記録は、大雨注意報や警報の発表基準( こちら です)や過去の災害履歴( この回 と この回 です)、土砂災害警戒情報の発表基準( こちら です)に形を変えて活かされています。また、大きな河川に関する過去災害の記録も有効であると述べてきました( この回 です)。 一方、敵に対する備えとしての防御力(治水関連のインフラの能力)は、洪水ハザードマップの想定雨量を見たり( この回 )、下水道( この回 です)や中小河川( この回 です)の対応雨量を見たりすることで概要がつかめると説明してきました。 ある規模の大雨が予測されている時や実際に降り始めた時には、これら3つの要素(「量的に手ごわくないか」、「以前に負けたことはないか」、「防御力を上回らないか」)を把握したうえで気象情報を使っていく必要があるわけです。 気象情報を有効に利用することは、自分の地域の弱さを知ったうえで初めて可能です。テレビの気象予報などでこれまでの雨量や今後の見込みが伝えられても、それがこの...

【地域の弱さを知る vol.12】土砂災害警戒情報の発表基準線と2つの雨量から地域の弱さを見る

こんにちは。渡邉です。 一昨日の特集記事( こちら です)の続編で、 今度は土砂災害をもたらし得る雨量についてまとめました。 ではどうぞ。 ---------------------------- ■土砂災害警戒情報の発表基準線と2つの雨量 地域の危険性を雨量面から見ていくという方法で、下水道・中小河川・大きな河川の弱さを分析してきました。次は土砂災害につながる雨量の目安について考えたいと思います。 土砂災害を引き起こす雨量を考える際に考慮しなければならないのは、先行する降雨や長時間に渡る雨によって土壌にしみ込んだ雨量と、短時間の雨量の2軸です。このどちらか、あるいはこれらの組み合わせで土砂災害が発生することが知られているからです。 土砂災害の危険度が非常に高まった際、気象庁と都道府県が共同で発表する土砂災害警戒情報の判断基準も基本的には上記の2軸が利用されています。 下図は土砂災害警戒情報の発表根拠に関する気象庁の概念図ですが、左の2つの図はこの考え方に準拠しています。これらの図の縦軸は短時間の雨量を、横軸にある「長期雨量指標」や「土壌雨量指数」は地中にしみ込んだ雨量をそれぞれ指します。 土砂災害警戒情報の発表判断に用いる指標とその基準 (気象庁ホームページより) 都道府県によって土砂災害警戒情報の発表の判断方法が若干異なります*1。「AND/OR」方式では、府県の基準と気象庁の基準の両方で発表基準線(上図の青線)を超えると予測された時に土砂災害警戒情報が発表されます(震度5以上の地震が発生した後に暫定基準が制定された場合は、府県又は気象庁のどちらかの方法で基準を超える際に発表されます)。下の連携案方式では、気象庁と都道府県は1つの基準を共有し、発表基準線(青線)を超えると予測された時に土砂災害警戒情報が発表されます。 土砂災害警戒情報の発表基準線は、「土砂災害発生危険基準線(Critical Line)」とも呼ばれます*2。「連携案方式」を採用する都道府県では、5キロ四方という単位で土砂災害発生危険基準線が設定されており、基準線の設定に当たっては、過去の降雨と土砂災害の発生状況等が分析されています*2。基準線を超える場合は、過去の災害事例に照らし合わせて土砂災害発生の危険性が高いこ...

(編集後記)ブログが育つと事業が育つ

こんにちは。渡邉です。 特集記事の「地域の弱さを知る」シリーズを後2回程度残していますが、今日は特集記事・一般記事とも作成をお休みします。 代わって、編集後記(のようなもの)を書いてみたいと思います。 実は、Weather Plus Communication Designの創設と同時に、JN Connectという会社も立ち上げました。JはJapanのJ、Nはオランダの正式名称The NetherlandsのNです。文字通り、JとNをつなげる会社です。Weather Plus Communication DesignのロゴをデザインしてくれたU君が、ロゴの中にプラスのマークを入れ込んでくれました。 JN Connect関係で、オランダ人や在蘭の日本人とのネットワークがこの2週間で急にできて、今日を含めここ数日、それぞれの分野で活躍する個人事業主の連携で面白い動きが作っていけないかを画策中です。オランダの水害対策に関する調査や現地視察などの支援も行っていけたらと思っています。 これもU君に無理を言って作ってもらった会社ロゴです さて、JN Connectの人的ネットワークを支えるのは、今年の4月ぐらいから書いてきた移住に関するブログ(「 世界にはオランダがある。 」)です。たった数十の記事しか書いていませんが、それらの記事の配信を通じて今まであったこともない人、思いもよらない人たちとつながることができるようになってきました。「ブログが育つと事業が育つ」ということを身をもって体験中です。 この「防災気象情報の利用と水害対策の事例ノート」は始めてからまだ1か月と少しですが、「世界にはオランダがある。」のように、気象とコミュニケーションに関して関心ある方・事業を行っている方、防災行政を担っている方、世の中の役に立ちかつ面白いことを考えている方などと出会う場となっていったらと思っています。 何かお気づきの点やコラボレーションのアイデアなどがありましたら、お問い合わせのページ( こちら )やフェイスブック、ツイッターのダイレクトメッセージなどでお気軽に連絡を取っていただければ幸いです。引き続きよろしくお願いいたします。

【地域の弱さを知る vol.11】流域の大きな河川の雨量に対する対応能力を知る

こんにちは。渡邉です。 中小河川の危険度を知る(前回の ブログ )に続いて、 比較的大きな河川の危険度を知る方法をまとてみました。 ---------------------------- ■流域の大きな河川の雨量に対する対応能力を知る 中小河川の大雨に対する弱さを把握する際には、河川管理の計画で用いられているように、流域内の雨量計で「○ミリ」(先に例として挙げた神田川の場合は50ミリ(護岸工事が未整備のところで30ミリ))という基準から判断することができました。 ところが、流域面積の大きな河川になってくると、流域内のある一部分では大雨となっても、他の部分ではそれほど雨量がまとまらないという状況が起こることがあります。このため、大きな河川では、流域で平均した雨量(流域平均雨量)が用いられます。なお、「流域」がどこを指すのかは河川管理者のホームページや河川整備基本方針、河川整備計画などを見ると地図で確認することができます。 実際にどの程度の流域平均雨量で被害が発生しているかを知ると、雨量に対する河川の弱さを把握することがある程度できます。 過去の主な水害時の流域平均雨量については、「河川整備基本方針」や「河川整備計画」にまとめられていることがあるので、国土交通省のホームページ*1から調べてみます。例えば多摩川の場合は以下のような資料を入手することができます*2。 多摩川の主要洪水と洪水被害 こうした資料を見るときは、数字を細かく追わず、ある程度大まかに把握します。この資料から、「多摩川流域の平均雨量で2日間に250ミリを超えてくると『主要』と言われる洪水が発生する可能性がある」と見ることができます(この数字以下でも各種の条件によって被害が発生する可能性があります)。 ■洪水ハザードマップの想定雨量との関係 以前、洪水ハザードマップから地域の弱さを読み解くことに触れました(この回の ブログ です)。 「洪水予報指定河川」*3や「水位周知河川」*3の場合、洪水ハザードマップが前提とする雨量は、「計画降雨」と呼ばれる雨量です。 計画降雨とは、河川の整備目標を導き出す時に利用する雨量であり、多摩川の場合は2日間で457ミリが想定されています*4。この規模の降雨によって発生する流量を...

【地域の弱さを知る vol.10】大雨に対する中小河川の対応能力を調べる

こんにちは。渡邉です。 昨日の下水道(こちらの ブログ です)に続き、今日は中小河川の対応能力を 調べる方法をご紹介します。 ---------------------------- ■大雨に対する中小河川の対応能力を調べる 内水氾濫に備えるため、下水道の対応能力を把握することが参考になると述べてきました。一方、雨水が流れ込む先の河川の対応能力を把握することで、外水氾濫の危険性を知ることができます。 河川がどのレベルの大雨に対して弱いのかを知るには、それぞれの河川の整備に関する計画を見ます。 日本では、河川法という法律により、河川管理者(国土交通大臣や都道府県知事等)に「河川整備基本方針」や「河川整備計画」の作成が義務付けられています(未策定の河川の場合は、「工事実施基本計画」がこれに相当します)。 まずは中小河川を例にして、上記の計画の見方を説明します。 中小河川の場合は、インターネットの検索サイトで「○○都道府県 河川整備計画」と入力すると関連情報にたどり着くことができると思います。 河川整備計画には流域図の他、水害対策の歴史的な経緯などがまとめられています。「地域の弱さを知る」ということを目的とした場合、河川整備計画から読み取る情報は主に以下の2点です。    1.どの程度の降雨を対象として整備しているか    2.整備率はどの程度か     上記の点に着目しながら、実際に河川整備計画を見てみましょう。ここでは東京を流れる神田川を例に挙げます。 1についてですが、神田川流域は「現在は1時間に50 mm規模の降雨に対応できるように、河道の拡幅や掘削、調節池、分水路の建設を行ってきている」と明記されています(同計画書、p.8)。続いて、2の整備率については、「用地の確保や支障物件の移設等に長期間を要しており、50 mm規模の護岸整備率は約6割という状況」(同計画書、p.8)です。 これはつまり、護岸整備が終わったところでも1時間に50ミリ以上、対応が終わっていないところではそれ以下の雨量で影響が生じることを示しています。 神田川流域は1981年には1時間に30ミリ規模の降水対応が完了しているので(同計画書、p.8)、流域の約4割が当時のままの30ミリ対応であることがわかります。神田川流域で発生した最近の水害を...

【地域の弱さを知る vol.9】下水道の対応能力から見た地域の弱さ

こんにちは。渡邉です。 ブログを書くのは早朝であったり、日付が変わる前であったり様々ですが、今日は後者です。 さて、大雨が降った時、マンホールから水があふれ出て内水氾濫が起こります。 では、どういった雨量からそうした危険性があるのでしょうか? 今日はその点についてまとめていきます。 ※前回のブログは こちら ---------------------------- ■下水道の対応能力から見た地域の弱さ 大雨に対する地域の弱さをあらかじめ把握することで、いざ大雨となった時に危機を危機として認識できます。裏返して言うと、その点に関する認識がなければ十分な対応が取れません。このことがあるので、気象情報を使いこなす基本中の基本として、まずはお住まいの地域の弱さを知っておく必要があります。 地域の弱さを具体的に把握するため、ここまでは降ってくる雨の量を主軸として考えてきました。これに対し、地域側の排水や治水能力の限界を知ることも別のアプローチ方法として有効ですので説明を加えたいと思います。 集中豪雨などがあると、下水道から水があふれ出ることがあります。これは、ある一定の雨量までは地域の雨水処理のシステムが機能しても、その限界を超えた雨量に対しては脆弱、つまり、お手上げなことを示しています。 このいわば「下水道の限界レベル」はそれぞれの自治体や地域の状況によって異なるため、詳しく知りたい場合はお住まいの自治体の下水道担当課に問い合わせ、「どの程度の1時間雨量まで対応ができるのか」を確認するのが1つの方法です。 ただし、そこまでするのは手間がかかるのも事実なので、気象庁が作成した「雨の強さと降り方」の表を参考にすることもできます。*1 雨の強さと降り方(気象庁ホームページより) 一番左の「1時間雨量」と一番右の「災害発生状況」を対応させ、下水についての記述を抜き出してみると以下のとおりです。            1時間雨量:災害発生状況    20ミリ以上~30ミリ未満:側溝や下水、小さな川があふれ、小規模の崖崩れが始まる    30ミリ以上~50ミリ未満:都市では下水管から雨水があふれる    50ミリ以上~80ミリ未満:マンホールから水が噴出する 前述のとおり、お住...

【地域の弱さを知る vol.8】観測史上の値や年間降水量等を参考に危険な雨の量を知る

こんにちは。渡邉です。 私が好きなとある作家は毎日文章を書くことでリズムを壊さないとインタビューで答えています。 「地域の弱さを知る」シリーズの途中で全然別のこと(会社ができた件)を一昨日挟んだので、続けて書かないと何を書いていたか忘れますね・・・。 簡単にここまでのおさらいですが、50年に1回の雨の値、注意報・警報の基準値、過去の災害時の雨量、ハザードマップでの想定雨量をもとに、地域に影響を与える雨量を知ろうという内容でした。前回のブログは こちら です。 特集記事の合間にどうしても書きたくなった件(例えば今週、ブリスベンで集中豪雨が起こり日本でもニュースになったのですが、これに関するソーシャルメディアのつかわれ方など)は、一つのシリーズが終わった時に書いていこうと思います。 今日はこれまでと少しアプローチを変えて、極値という値や月間降水量、年間降水量を基に地域にとっての大雨を探ります。 それではどうぞ↓ ---------------------------- ■極値・月間降水量・年間降水量との比較 「災害を与えうる雨量」について、過去に災害が発生したときの雨量や、発生が想定される雨量を基に考えてきました。こうした見方の他にも、地域にとって大雨となっていることを把握する方法として、観測史上の値と比べたり、月間や年間の降水量と比べる方法があります。これらの方法はこれまでの手法とは違い、どのような災害が起こり得るかを直接的にイメージできるものではありませんが、ある地域にとって尋常ではない降水を定性的に把握することができます。 気象庁のホームページでは、これまでに観測された雨量データを容易に利用できます。 少し前にも紹介した「過去の気象データ検索」のページを開き、都道府県と最寄りのアメダスを選びます。「年月日の選択」は選ばず、そのまま「データの種類」の中から「地点ごとの観測史上1~10位の値」を選択します。 ※過去の気象データ検索のページはこちらです。 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php 過去の気象データ検索の画面(気象庁ホームページより) 試しに名古屋のアメダスのデータを上記の方法で調べてみますと、以下のようなデー...