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タイムライン防災で前提としない方がよいこと


タイムライン防災に近年注目が集まっているが、
タイムラインを作る上で前提としない方がよいことは見過ごされがちだ。

タイムラインを組む時には次の3つの前提を排除した方がよい。

1. 分かりやすい情報が出るはずだという前提
この先どうなるかについて白黒が
はっきり見分けられる情報だけではない。

何が起こるか判断しづらい中途半端な情報や、
はっきりとしない情報も出るはずだ。

それは普通の事である。

不確かな情報を受け取ったときに
どう対応するかの指針も含めて検討した方がよい。

2. 十分なリードタイムがあるはずだという前提
タイムラインでは行動のトリガーとする情報が
発表されるタイミングに合わせて誰が何をすべか整理する。

しかし、情報は常に予定された通りに発表されるとは限らない。

遅れて発表されることもあれば、
見込みより早く実況が変わっていくこともある。

「この情報を使って判断すればリードタイムが確保できているはずだ」

そうした思い込みは逆に危険だ。実行しようとしたことを
行なっているうちに時間不足になる。

リードタイムは都度異なることを忘れてはならない。

3.対応が予定通りに完了するはずだという前提
タイムラインではある状況になったら取るべき行動が列挙される。

しかし、そうした行動はいかなる時にも想定された
リードタイムの中で実行可能なものであるだろうか?

例えば雨や風が強く、内水氾濫や土砂災害などで
移動が難しくなったときはどうか。

過酷な状況の中で対応できるのかという視点で
見ておくことも必須だと言える。

タイムラインを作る時には優先順位の検討を
情報が分かりづらく、十分なリードタイムもない。
さらに行動を阻害するような要因も重なって
すぐに対応が完了しなかもしれない。

そのような時にでもあなたのタイムラインは機能するだろうか?

タイムラインは「うまくいくならこれをやろう」という
前提で作られている。A案中心の計画(プランA)だ。

しかし、そのA案が難しい時に運用するB案(プランB)があってよい。

プランBではやるべき事に優先順位をつけておくべきだ。
時間が足りなくなる状況、予定通りに対応が完了しない状況では
優先すべきことをやり、他を切り捨てるしかない。

タイムライン防災を見ると、臨機応変に対応できる柔軟性が欠けたものもある。
プランBを含めて、より実践的なものとしていくことが求められるだろう。