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【コラム】オランダやオーストラリアの水害対策事例に基づいて意見交換を行いました

こんにちは。渡邉です。

気象とコミュニケーションデザインの事業では、日本に向けて気象情報の利用方法の提案を行っている一方で、水害対策の先進地として知られるオランダにいることのメリットも活かしてオランダ視察の支援も行っています。

先月後半、私にとって記念すべき最初のお客様とアムステルダムでお会いしました。

私のこのブログを見てオランダ訪問に併せて意見交換をしてみたいとおっしゃっていただいたのは、NTTデータの前社長(現在は相談役)である山下徹氏です。

山下氏は総務省が平成26年に設置した「災害時等の情報伝達の共通基盤の在り方に関する研究会」(詳しくはこちら)の座長を務められた他、内閣官房ナショナルレジリエンス(防災・減災)懇談会(詳しくはこちら)等にも参加されるなど、日本の防災施策に関して企業の立場から積極的に貢献されていらっしゃる方です。

アムステルダムにて山下徹氏と筆者(右)























意見交換の中では、日本の防災対策の行政依存性が話題になりました。

私自身、2000年代前半に地方自治体の防災行政を担う立場にいたことがあり、こうした構造的な問題には感覚的に気づいていました(余談ですが、「行政」も「地域」や「住民」に依存していると感じていました)。ただ、「行政依存ではないあり方」の具体像を明確にイメージできるようになったのはごく最近のことで、オーストラリアの自治体や市民がどのように災害に対応するかという知見を豪州留学(2013年~2014年)で得た時です。

日本の防災を分析するには比較する軸が必要だというのが私の個人的な経験からの結論です。

比較軸としてオーストラリアやオランダがどこまで有効かという面もありますが、両国の事例紹介を元とした山下氏との約2時間の話し合いは話題が尽きることなく瞬く間に過ぎました。

なお、意見交換の参考用にオランダの堤防だけを網羅した300ページを超える大型本(こちらです)を持参しました。1ページ1ページ、山下氏に丁寧に見て頂けたのがとても印象に残っています。

最後になりますが、この意見交換会は、私自身にとっても日本の防災の課題を改めて認識することができた貴重な場となりました。この場をお借りしまして、山下様はじめ、NTTデータ秘書室の皆様に厚くお礼申し上げます。